八木　木はたとえ同じ樹種でも切り出す箇所によって木目や色合いが微妙に違っていて、まったく同じものはないんですね。こうしてボールペンを眺めているとそれがよくわかります。
 
野口　おっしゃる通りです。木目の出かたは木によって異なりますし、削る深さが0.1mm違うだけでも変わってきますよ。なので、同一の物をつくってほしいと言われても、それは絶対に無理なんです（笑）。
 
八木　まさに世界にひとつだけのオリジナルボールペンですね！　
 
野口　そうなんです。木は「ここで止めようか、もう少し削ろうか」といった微妙なさじ加減でまったく違う顔を見せてくれるので、それを楽しみながらあれこれ試行錯誤して、削りを行っていくのがこの仕事の一番の醍醐味だと思っています。削ってみるまではどんな木目になるかわからないところが、すごくワクワクするんですよね。
 
八木　野口代表が先ほどおっしゃっていた木の奥深さが、私もわかってきましたよ。ボールペンづくりの話をされている野口代表はとても輝いていて、男のロマンを感じます（笑）。ところでくまねこペンスタジオさんはオンラインショップも展開しているそうですね。全国から買えるのは嬉しいなあ。