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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

オフィス感覚の就労移行支援
自ら考え働く意志を養成

 

職場に近い環境の中で実践的に働き方を学ぶ

 
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仕事のスキルを養うだけでなく、精神面の成長にも寄与する
水野 御社ならではの、企業感覚に根差した就労移行支援について、ご紹介いただけますか?
 
土田 「オフィス感覚の事業所」をコンセプトにしています。ここを卒業した後に入社する企業とこの事業所とで、職場の雰囲気にギャップが大きいと長続きしない恐れがあるので、できるだけ一般企業に近い環境になるよう意識しているんです。
 
水野 あまりに雰囲気が違うと、面食らってしまうでしょうからね。言われてみれば、今日は一般企業で打ち合わせをしているような気分です(笑)。
 
土田 机などのレイアウトもそうですが、利用者の皆さんにも毎回タイムカードを押してもらっているんです。これも会社に通う感覚を持っていただくためです。他には、社会性を養うために新聞の一つの記事を題材にした勉強会も毎日行っています。けっこう盛り上がりますよ。あとは、コミュニケーションの徹底ですね。先にも説明したビジネス課題の作成においても、課題の提出などをメールだけで済ませるのではなく必ずプリントアウトしたものを直接持ってきて、コミュニケーションを取るよう指導しています。
 
水野 本番の仕事じゃないと思ったら、どうしても気が緩みますものね。
 
土田 そうですね。でも、緊張感のある中でも利用者さんのケアは第一に考えています。当社で働くスタッフの人選もその一つで、企業経験や教育企画経験者の他、福祉経験や看護士、心理カウンセラーなどのスタッフをそろえています。利用者さんの多様なニーズに対し、個別のプログラムを用意して、夢を叶えるためのサポートをすると共に、利用者さんの健康状態の改善を重視して運用しています。心身の状態を良くすることが、最も基本ですからね。
 
水野 多様な経験のある方々が指導をすれば、体験に根ざしたことが教えられるし、福祉や看護に精通している方がいれば、利用者の方々にも安心感があると思います。ぜひうかがいたかったのですが、ホームページにもあるように、センターの理念として「『主体的』に『前向き』に『挑戦』し続ける心!」を掲げていますよね? これはまさにI tryの精神だと思いますが、ここにはどんな気持ちが込められているんですか?
 
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土田 企業に勤めていた頃、部下の中に「うつ」の症状によって仕事が続けられなくなった人を何人か見てきました。彼らのことは気の毒に思いますが、働くことにはそれ相応のストレスをともなうのも確かです。だから、精神的な強さを身に付けることが必要だと常々感じていました。他人の意見と「自分の意志」をいかに調和させて前向きに行動していけるか。この課題をぜひとも乗り越えてほしいという願いから、社名にも理念にも挑戦の意味を込めました。
 
水野 その場の命令に従うだけだったり、雰囲気に流されたりするのではなく、自らが主体的に考えて働くことの重要性を説いているのかぁ・・・。その思いが利用者の皆さんに届くといいですね。
 
土田 はい。ここを卒業した利用者さんが就職先で長く定着し、ここに通ったことが正解であったと思ってもらえることを励みに、これからも挑戦し続けます。
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
主体性を持ち前向きに挑戦する意志が、“仕事を楽しむ”につながると思います。私は「生まれたからには自分で何かをしなければ」と考え、今の事業に挑戦する選択をしました。若い頃には「形あるものを残したい」と思いましたけど、経験を多くの人に引き継いでいくことも重要だと今は思います。
(土田敬之)
 
 :: 会社概要 :: 
   ■ 社名 アイ・トライ合同会社
 ■ 本社 〒330-0063 埼玉県さいたま市浦和区高砂2-14-17 浦和マルゼンビル 3F
 ■ 事業内容 就労移行支援事業 「アイトライさいたまセンター」
 ■ 設立 平成26年9月
 ■ 従業員数 5名
 ■ 協力提携機関 障がい者福祉研究会Shien/NPO法人ベストライフ/一般社団法人日本心理療法協会/医療法人リーベ小川クリニック
 ■ ホームページ http://www.itry.co.jp