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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

オフィス感覚の就労移行支援
自ら考え働く意志を養成

 

サービスの追求で培った企業経験を福祉にも

 
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土田 大事なのは、パソコン技能を修得することではなく、パソコンというツールを使って成果を出すことです。ですので、就労に近い方には、ソフトの使い方を学ぶだけでなく、マーケティング調査の結果を文書にまとめるとか、自分でネットを検索し集めたデータをエクセルでグラフ化するとか、職場で日常的に発生しそうな、テキストにはない課題に取り組んでもらうようにしています。
 
水野 ソフトを使う以上のスキルを身に付けられるのは、すごいですね! 就職の間口も広がりそう! 土田代表はもともと製造会社に勤めていたそうですが、就労移行支援のお仕事と比べると、畑違いで意外に感じました。どんな経緯で今の事業に行き着いたのか、興味があります。
 
土田 私は最初、電機関係の会社に就職して製造部門で働いていました。当時は非常に景気のよい時代でしたね。その後、バブル崩壊による構造改革を契機に、新ビジネスの立ち上げに携わりました。最初が、製造部門のノウハウを生かせる、リペアビジネスでした。それからさらに、製品のライフサイクルまで視野に入れた様々なサービス事業を模索し、事業化するうちに、だんだん見えてきたんですよね。やりたいと思えば、何だってやればできるんじゃないかと・・・。
 
水野 製造だけでなく、商品が顧客の手元で運用、廃却されるまでの範囲を手がけて、自分の仕事の幅が広がるのを感じた・・・ということでしょうか? 
 
土田 そうです。修理を手がけるリペアビジネスに始まり、コールセンターやシステム運用など、それまで無縁だった分野の事業をいくつも立ち上げ運用してきたことで、自分にできることの幅がぐんと広がったのを感じました。製造部門は工場の中での仕事でしたけど、製品のライフサイクルマネジメントをトータルに追求すると、社外の人ともたくさん交渉を重ねる機会があったので、自然に勉強もし、スキルや知識が向上していきました。
 
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水野 それまで製品に集中していた意識が、人へのサービスにも広がったと。
 
土田 はい。そういう経験をもっと社会に役立てたい気持ちから、初めは社会人教育を事業にするつもりで退職しました。でもその後、いろいろな方とお会いするうちに、障がい者を持つ方々のための社会人教育というテーマに行き当たったんです。
 
水野 事業の仕組みからつくり上げた経験が、「何だってできる」という自信につながっているんですね。そして、培ったノウハウなどを現在はこの事業に生かそうとなさっている・・・。
 
土田 そうですね。企業で学んだことがベースになっていますから、既存の福祉事業にはない特長を生み出せるはずですし、それこそが後発の事業者として生き残っていく道だと思っています。