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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

資金調達を全力で支援
融資に賭ける熱き想い

 
 
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相原 大事ですよね、準備は。お客様の信用に大きく関わると思います。
 
菅井 金融業界の現況を再確認しておく必要もありました。特に注目したのは、返済期限の延長や審査基準の緩和で経営者を支えていた 「金融円滑化法」 です。時限立法だったため、期限の切れた2013年4月以降は、あのバブル崩壊直後以上の苦しい状況になるとも言われました。「その人たちにも必要とされる仕事をしたい」 と痛烈に思いましたね。
 
 

金融最前線で心に刻まれた顧客への想い

 
相原 独立される前は信用金庫の融資課長さんだったんですよね。お金を貸す側にいらっしゃったのに、行政書士としてお金を借りる側の人たちの支援に回られたのは、どうしてですか?
 
菅井 私は27年半にわたり地域金融機関である信用金庫に勤め、融資の部署ではおよそ20年、融資責任者として審査や管理、回収業務に取り組みました。その中で目の当たりにしてきたのが、中小企業を経営するお客様の大変さです。バブル崩壊後、事業譲渡に伴う整理回収機構との協議が始まった時、それが著しかったですね。不良債権を抱える中小企業が機構に移管されるわけですが、回収の見込みがなければ会社が精算されて税金が投入されるんです。承諾書をいただくため、機構へ移管される企業様を訪問するたび、お客様の表情に喪失感が漂っていたのが忘れられません。「お客様のためにできることがもっとあったのではないか」 という想いが残りました。
 
相原 融資のお仕事に携わる中で、地域の金融機関としての責任を痛感されたということですね。当時救いきれなかった取引先の方々の表情が、今も心を動かしているんでしょうか。
 
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菅井 ええ、そうです。その想いがやがて 「困っている中小企業様の力になりたい」 という決意に変わり、地元企業のサポーターとなるべく、行政書士事務所を開設したんです。もちろん、お客様の 「ありがとう」 の笑顔も大きな原動力です。融資の仕事に取り組んだ当初は、お客様の経済状況について思い悩み、眠れない日もありました。でも 「こんな商品が売れたよ」 「売り上げが上がったよ」 といった感謝のお声をいただくたびに嬉しくて、その都度頑張ろうと思えたものです。お金は企業経済を回すための、血液のようなもの。温かい笑顔を生むためには循環させなければなりません。私はお客様の笑顔が大好きです。
 
相原 生きがいにもなりますよね、お客様が喜んでくれるのは。
 
菅井 だから、なおさら支援に力を尽くしたくて。中小企業の経営者の方々は本当に一生懸命頑張っておられます。経費削減など打つべき手は全て打っている。にもかかわらず経営を維持することも融資を受けることも難しいのが現状です。