◆ 伝統技法を今に受け継ぐ
銀座 平つかの手仕事の品
「ほんの少し」の気持ちを伝えるぽち袋から、豪華な祝儀袋までずらり
年齢を重ねるごとに、お祝いや感謝の気持ちを込めて現金を包む場面も増えてきます。その際、中身にばかり気を遣って外装はついついおざなりになりがち。しかし、受け取る側は、額面の大小に限らず細やかな気配りこそ心に沁みるものであり、贈り手の心遣いや個性が見えると嬉しいものです。そこで、今回はこだわりの金封を手がける 「銀座 平つか」 をご紹介します。
店内に所狭しと並ぶ江戸指物や和雑貨、便箋・封筒類など、どれも味わい深いものばかり。それもそのはず、すべて熟練した職人の手仕事の品なのです。金封をはじめ、平つかの手がける製品は「本物」が分かる粋な人々から長きに渡って愛されています。
◆ 触れた瞬間に伝わる
手づくりの温もり
昭和23年3月の大空襲までは銀座5丁目の東通りで営業していた
平つかは、元をたどると「趣味の家具 平塚」として日本橋で大正3年に創業し、伝統技法で作られる江戸指物を扱ってきました。その後、関東大震災や東京大空襲などにより2度の移店を経て、現在の場所に店を構え早や半世紀以上･･･。時代の変化により、需要に合わせて少しずつ品揃えも、その様を変えてきました。現在、主力商品となっているのは手漉き和紙と木版刷りによる金封やぽち袋です。 「祖父が多趣味な人でね」と、笑いながら語ってくれたのは三代目店主・平塚彦太郎さん。平つかでは創業当初から経師も行っており、和紙に馴染みが深かったことから、戦後取り扱うのようになったのだとか。
三代目・平塚彦太郎氏
こちらの金封の魅力は、なんといっても手づくりならではの質感でしょう。手漉きの和紙はやや厚みがあり、独特の風合いが温もりを感じさせます。和紙によく馴染む優しい色味の模様も、木版で一つひとつ丁寧に手刷り。木版刷りは、一色ずつに異なる版が必要です。少しでもずれてしまえば、商品として成り立ちません。それだけに、色彩豊かな製品を手に取ると、繊細な仕事振りがうかがえます。使用する版木も、もちろんオリジナルの図案を板から彫り出したもの。使ううちに劣化した図の面を繰り返し彫り出しながら、薄くなるまで大切に使用するそうです。紙の裁断や、糊付けして封筒に仕上げるのももちろん手作業で、各工程を専門の職人が手がけます。
この版木も彫り専門の職人が仕上げたもの
歴代の図案はすべて大切に保管されている
店内には手作りの和家具や雑貨が多数揃う
◆ 趣向を凝らした金封で
お祝儀が心に残る贈り物に
定番のかたばみ柄ぽち袋は各5枚組で714円
寿松の金封をはじめ、平つかの家紋でもあるかたばみや干支をあしらったぽち袋など、用途別にサイズやデザインも様々。これだけ手をかけて丁寧に作られているならさぞ高価だろうと思いますが、かたばみ模様のぽち袋も5枚で714円、婚礼用の金封も767円と、思いのほか手頃な値段です。質にはこだわりながら、あくまでも実用的。それこそ、お客様がお客様を呼び、多くの人から愛されている理由なのかもしれません。
実際に 「平つかの金封でお祝いをいただき、嬉しかったので自分もぜひ利用したい」 という声は後を絶ちません。「平つかのオリジナル」「粋でシンプル」「機能的で本物の商品づくり」 をモットーに、流行に左右されることなく銀座 平つかはものづくりを続けます。
春にかけて何かとお祝いの機会が増えるシーズンですが、今年は老舗の趣向を凝らした金封で、気持ちが見える粋な贈り物をしてみましょう。
左から金銀水引 寿松767円、草のし5枚組945円、紅白のし5枚組893円
お年玉用のぽち袋。竜車柄は3枚組819円、まゆ玉は3枚組420円
 銀座 平つかTEL 03-3571-1684 東京都中央区銀座8-7-6 定休日：日曜・祝日 営業時間：11:00～19:00 |
