暑さが本格的になり、涼感のある食べ物が恋しくなってきました。ジューシーな旬のフルーツや舌触りのいい冷菓などは、この時期、おもてなしや手土産にもぴったり。おいしいのはもちろん、話題性のあるものなら、なおさら喜ばれること間違いないでしょう。今回は、メディアでも話題の、モダンなひんやり和スイーツをご紹介します。 有名な神社や、行列のできる飲食店が点在する、東京杉並区の永福町エリア。駅から徒歩すぐの閑静な住宅街に、2021年4月にオープンしたのがフルーツわらびもち専門店「まるさんかじつ」です。実は、このまるさんかじつを手がけているのは、茨城県の鹿島神宮参道入口に店を構え、天皇陛下御献上菓も手がける創業約200年の老舗和菓子店「丸三老舗」。茨城県産のフルーツなどを柔らかな羽二重餅で包んだ「極大福シリーズ」も人気を呼び、地元を中心にファンの多い丸三老舗のプロデュースとあって、まるさんかじつもオープン以来、スイーツ好きから注目を集めています。 老舗和菓子店の確かな技術と上質な素材から生まれた新ブランド、まるさんかじつ。ひと口かじれば旬のおいしさが弾ける、珠玉のフルーツわらびもちのフレッシュな魅力をお届けします！　

まるさんかじつのフルーツわらびもちは、そのとき旬のフルーツを使用するため、季節によってラインナップが変わります。「佳日の果実――ちょっと良い日の贅沢時間」をコンセプトに掲げ、茨城県産を中心に、国産の最上級の完熟フルーツを贅沢に使用しているのも大きな特徴。これは、丸三老舗の創業200年という歴史の中で培った、全国の生産者との縁もあってこそと言えるでしょう。 フルーツわらびもちは、主役となるフルーツのおいしさを最大限に活かすため、一部商品を除き、店舗で一つずつ、その日に手づくり。なめらかな食感と上品な甘さがフルーツと相性抜群な白餡をフルーツに纏うと、まだ熱の残る練りたてのわらびもちで手早く、優しく包んでいきます。 一見するとシンプルな製造工程に感じられるものの、それゆえに、細部にまでこだわりが光ります。わらびもちづくりはタイミングや火加減、さらに気温や湿度の影響も受けやすく、弾むような食感と透明感のわらびもちに仕上げるのも、老舗和菓子店の技術の成せる業。また、フルーツによって香りや糖度、水分量や食感などもすべて変わるため、新商品開発のたびにフルーツと白餡との数グラムの割合に至るまで、毎回試行錯誤が重ねられているそうです。 こうしてバランスを計算し尽くし、さまざまな工夫を凝らして生まれるフルーツわらびもちは、毎回、フルーツのフレッシュさをギュッと閉じ込めた逸品ぞろい。ひと口頬張った瞬間に、溢れる果汁と白餡、わらびもちが一体となる贅沢なおいしさは、何気ない日常もたちまち“佳日”へと変えてくれるはずです。

和モダンな雰囲気のシンプルな店内では、ジュエリーのように展示されたフルーツわらびもちの断面からのぞく色鮮やかなフルーツが目を引きます。4月のオープン直後から大好評を博したというイチゴは、来季も熱望するファンの声が多いのだとか。季節は初夏となり、取材時には酸味が少なく華やかな風味がたまらない沖縄県西表島産のピーチパインや、茨城県産の甘くみずみずしいメロンなどがお目見え。中には大粒のブルーベリーにほんのり塩気を感じるクリームチーズを組み合わせ、さらに好みでブルーベリーのリキュールをかけて味わうという、大人な味わいの「ブルーベリーわらび」なども並び、足を運ぶたびにワクワクさせてくれそうです。