B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

道の切り拓き方を教える
尖った税理士でありたい

 

差別を受け父に教えられた自己主張の大切さ

 
glay-s1top.jpg
川上 お客さんの絶えない理由について、高木社長ご自身の分析は?
 
高木 税理士であり、財務のコンサルティングもでき、しかも銀行の事情をよく知っている存在は恐らく珍しいからでしょうね。企業再生時では銀行との厳しい交渉を経験し、現在も銀行と企業の間に入って行う仕事が多いです。さまざまな業種の財務や経営状況を見てきました。一般企業と銀行の両方の内情に精通しているのは、私の大きな強みの一つなんですよ。現在はコンサルタントとしての仕事が中心で、北海道から九州まで全国を飛び回っているところです。
 
川上 その忙しさこそ、高木社長がお客さんから高い信頼を寄せられている証ですね! そんな高木社長のお人柄や、バックボーンに興味が湧いてきました。
 
高木 私はもともと日本で生まれ、父の仕事の関係で1歳のときにアメリカへ渡り、6年間過ごして帰国しました。私自身は記憶していませんが、当時のアメリカは人種差別がひどく、私もよくいじめられたようです。そのたびに、父から「黙っていたら何も変わらない。ちゃんと自己主張しろ」と教えられたことは覚えています。また、日本へ戻ってからは言葉に苦労しました。しかし小学校の担任が英語でサポートしてくれるなど、とても良くしてくれたおかげで馴染むことができましたね。
 
川上 私もスウェーデンで生まれ、日本とスウェーデンを行き来しながら育ったので、高木社長のご経験が我がことのように感じられます。長く海外で生活すると、日本の良い面も悪い面もよく見えますよね。
 
glay-s1top.jpg
高木 おっしゃるとおり。日本の悪いところは、人と異なる意見を言いづらい空気があること。ディベートの文化もなく、組織の中で目立つと排除されてしまうことも少なくありません。
 
川上 そうですね。私は後からいろいろ言うのが嫌いで、言いたいことがあればその場ではっきり伝えるようにしています。でも、そのせいで周囲を「あっ」と驚かせることもありました。子どもの頃、学校の休み時間に友だちとトイレへ連れ立って行く習慣が気持ち悪くて、あるとき「私は行かない」と言いました。すると、たちまち「変な子」扱いされてしまったんです(笑)。日本は自分が言いたいことを口にせず周囲が察する文化ですし、出る杭を平均的にそろえようとするところがありますね。
 
高木 人と違う意見こそ聞くとおもしろいのに残念ですよね。まあ、私もわりと言いたいことを言うタイプなので、こうして仕事を続けられるのは本当にありがたいことです(笑)。
 
川上 でも高木社長の場合、そのフランクなお人柄が最大の武器になっているのでは?
 
高木 そうなのかもしれません。それに私は、会計事務所からコンサルティング会社に移ってわかったことがあるんですよ。