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スポーツ 建山義紀の「ココだけの話」 vol.11 野球評論家デビュー! 建山義紀の「ココだけの話」 テキサス・レンジャーズ投手
スポーツ こんにちは、建山義紀です。
皆さんご存じの通り、昨シーズンをもって引退し、今は野球評論家としての道を歩んでいるところです。現役ならばシーズン前となるこの時期は徐々に緊張感が高まる時期ですが、今は次のステージにむけて充実した時間を過ごさせてもらっています。テレビやラジオに呼んでいただいたり、大谷選手のインタビューをしたり、北海道で雪かき選手権に参加したり(笑)。そして、オープン戦で解説もさせていただきました。野球を外から見て、的確に視聴者に伝えたい気持ちがあるので、評論家として言葉選びなどには気を遣う、新たな建山像を模索しつつあります(笑)。
オフシーズンになると、何かと上原とともに出演する機会も少なくないのですが、先日久々に新聞社の企画で対談をしましてね。真面目に「日米双方の野球の違いを評論家と選手の視点で語り合う」“はず”だったんですが、上原と僕ですからね。雑談半分(笑)。でもよかったことは、本人が普段話さないような内容まで引き出せたこと。評論家としての自信がつきましたわ!
それにしても、浩治は相変わらずやったね。常に危機感と隣り合わせの中で、言動全部にその危機感がにじみ出る。「いつもしっかりやってるんだから、もうちょっと余裕持ってもええのに」と思ったりもしますが、そこがあいつの良さというか、あいつ自身を支えているものに他ならない。
選手なら誰でもそうでしょうが、自分のことは自分が一番よく理解して、「選手」というものがどのようにダメになっていくかもわかっているものなんです。そうならないようにと踏ん張っていく。その連続なんですよね。浩治は慢心することもなく、黙々と自分のやるべきことをやっている。対談を終えて「あっ、いつもの浩治だな」と思って、安心しました。本当に頑張ってほしい。僕がユニフォームを脱いだ今、さらにそう思うんです。
怪我だけは本当に注意して、今年もハイファイブを見せてくれよ・・・って。口には出さず、心の中で思っていました。だって、面と向かっては恥ずかしいですもん(笑)。ここだけの話やで!
さて、評論家としての第一歩を歩み出した僕ではありますが、沖縄にキャンプの視察にも行ってきました。北海道日本ハムファイターズと阪神タイガースのキャンプです。
僕が見た限りでは、この2チームは12球団の両端にいると感じましたね。例えばファンとの距離。阪神は愛情の裏返しでもあるヤジもきますので、場合によっては耳をふさぎながらじゃないとやれないこともある。いっぽう、日本ハムはあまりヤジられることはない。そこのリラックス感はかなり違いました。でも、両チーム和気あいあいとキャンプに取り組んでいたので、いい印象であったのは間違いないです。
4年ぶりに日ハムのキャンプに行きましたが、古巣に戻ってみて、あまりの人の多さにびっくりしましたね。僕がいたころはファンもまばら、テレビカメラもせいぜい1台か2台だけというありさまで、むしろ牧歌的な雰囲気すら漂っていました。サブグラウンドでは野良犬が走り回っていたり、人が平気で横断していたりしていましたからね(笑)。
それが今や、きっちりと動線を張られて人員整理もされるようになるとは・・・それでいて、キャンプだからこそファンが選手たちとの近さを感じられるという距離感もきちんと保てていた。素晴らしい進歩だと思います。本当に立派な球団になって嬉しかったですね。
僕は主にバックネット裏で見ていたので、今回足を運んで、球団フロントの方や他チームのスコアラーの方や監督さんに話を聞けたのも大きな収穫でした。阪神・和田監督、DeNA・中畑監督、大島監督(元日本ハム)など、現役監督だったり評論家としての先輩だったり監督経験のある方と話ができたのは非常に大きかったです。現役時代に相手チームの監督と話す機会なんてまずないですからね。
でも、いろいろイジられました(笑)。中畑さんには、「なんで最後、日本に帰ってこなかったんだよ」と言われて。そうかと思えば大島さんが近寄ってきてこんなやりとりが。
大島 「建山、結局、アメリカのどこいったんだ?」
建山 「テキサスとヤンキースに行きまして、最後タイガースに帰ってきました」
大島 「お前、デトロイト(タイガース)にも行ったのか!」
中畑 「テキサスにニューヨークにデトロイトなんて、全部強いところじゃないか!」
・・・お二人の間では、僕は、デトロイト・タイガースで現役を終えたことになっていますが、もうね、説明するのが面倒臭くなってそのまま放置しています(笑)。
そんなこともありつつ、もちろん評論家としての仕事は全うしてきましたよ。そこで意識したことは、選手目線で感じたことを伝えるということでした。評論するにあたって決してやってはいけないと思っているのが「自分ならこうするのに」とか「こんなことやってはいけない」など、評論家である僕だけの目線で論じてしまうこと。もちろん建山義紀としての主体性を持ちながらも、客観性とのバランスを大事にする。
選手としての行動は自分が責任を持てばいいだけの話でしたが、今は僕が間違ったことを伝えたりすると、僕じゃなくて相手の選手や球団に被害を及ぼしてしまうこともある。そこは現役の時以上に気を配っています。
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