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スポーツ 上原浩治のTrust Pitch! vol.24(最終回) 今、自分にできることを 上原浩治のTrust Pitch! ボストン・レッドソックス投手
スポーツ こんにちは、上原浩治です。
先日、日米通算で100セーブを達成しました! ブログなどにお祝いのコメントをくれた皆さん、ありがとうございます。
日本では新緑と、吹き抜ける風が気持ちいい季節でしょうか。メジャーリーグはシーズン序盤。今シーズンは初登板から、1点差や同点など、ドキドキする場面での登板が多いのですが、チームとしてはまだまだ本調子ではないので、チームの結果は真摯に受け止めて、自分のできることを一生懸命続けて行きたいと思っています。新社会人の皆さんは、少しずつ会社に慣れてきて、これからいよいよ本領発揮。目の前にある、やるべきことをきちんとやっていけば、なんとかなるものです(笑)。
さて、実はこのコラム「Trust Pitch!」は今回で最終回。スタートしたのは2011年ですから、4年もの長きにわたってご愛読いただいたことになります。
今思えばあっという間の4年間でしたね。メジャー3年目から7年目の今年に至るまで、とにかく内容が濃かった。一昨年の、アメリカン・リーグ優勝決定シリーズではMVPをいただいたし、世界一という頂上からの景色も見られた。いっぽう、昨年のような苦い結果もあった。そういえば昨年はオールスターゲームにも出させてもらいました。ともかく、このコラムを書いている4年間を含めて、アメリカへ渡ってからの6年間は僕の野球人生の中でも、密度の濃い期間だったと言えます。
プロ野球選手として、日本では巨人で10年間、そしてアメリカではボルチモア・オリオールズ、テキサス・レンジャーズを経て、現在所属しているボストン・レッドソックスという4つの球団を経験し、いろいろな“会社”を見てきました。それぞれの企業に独自のカラーがあるように、やはり球団にも文化の違いがあります。僕も最初は新たな居場所で何をしていいかわからないところから始まり、その会社ならではのやり方になじみながら動くことの連続でした。自分勝手に動くことはできませんからね。でもそうした経験全てが、野球人・上原浩治の財産になっているのは間違いないと思っています。
あまり過去を振り返るのは好きではないのですが、このコラムも今回が最後なので、少しだけ、今までの野球生活を振り返ってみましょう。ビジネスにおいてもそうだと思うのですが、年代によって、仕事への取り組み方や学ぶべきことって少しずつ変化していきますよね。例えば20代は勢いでやっていけます。一番脂がのっている時期だから、どんどんやりたいことをやったらいい。30代にさしかかるあたりで落ち着きも出始めて、周囲もよく見えるようになってくる。野球で言えばチームの中心になる時期。そうならないといけないところもありますが。
僕は、ちょうどこの時期、30代の初めに渡米したので、周囲を引っ張るというよりは、自分のやりたいことを追い求める道を選びました。30代後半は20代に比べると、少し年齢も気になってはきましたが、それでも野球を続けられているのは、やるべきことをやってきたからだと自分でも思うんです。それを神様が見てくれていた、というかね。
もっともベテラン、中堅どころに対しては「やれてあたり前」というように、周囲の見方が厳しくなるところがあるのも事実。もしチームで動いているのであれば、そのチームの成績が良ければ嬉しいし、自分の成績が良ければ上に立っている人から褒められ、認められていくのも真理です。そこにやりがいを見いだせたりはしますよね。
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