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スポーツ 上原浩治のTrust Pitch! 番外編 上原浩治のTrust Pitch! ボストン・レッドソックス投手

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“BOSTON DREAMS COME TRUE”
ボストン・レッドソックス ア・リーグ東部地区優勝記念特別インタビュー

 
 
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――当たり前の話ですが、バッターは点を取れますが、ピッチャーは点を取れない。代わりに 「点をやらない」 ことが求められる。クローザーなんて特に、抑えて当然の、非常に酷な立場ですよね。
上原 バッターは打てばすごく目立つし、ピッチャーは抑えてもそんな目立つわけじゃないからね。特に中継ぎとかっていうのは。
――打たれたら特に目立つのに。
上原 そう。マイナスの部分だけが取り上げられて、目立つことが多いけれど、終わってみればその中継ぎとか、そういう 「目立たないところで頑張った人たちのおかげ」 という評価が必ず出てくると思うので、それを取り上げてほしいというのは、いろんなところで、ずっと言ってきてるんですけどね。会社でも似たような感じのことはありませんか?
――たとえば?
上原 おいしいところは上司が持っていく、しんどいところはその下の人たちが頑張っている。でも部下だって、後々評価されるということを考えてやっていければ嬉しいでしょう。
――上原さんの場合、そういったご苦労も少なくなかったですよね。ブログにも書かれていましたが、キャッチャーとの呼吸とか・・・。レッドソックス1年目でどうやって信頼関係を築いたんですか?
上原 キャッチャーが要求している通りに投げるのが一番。あとは、ぼくの場合は感情を表に出すので、その感情にキャッチャーも乗ってきてくれたらいいなと思って投げていますね。
――年間通して、それがバッテリーの呼吸を合わせることにつながっていった?
上原 バッテリーだけやないですよ。感情を前面に出すことによって、キャッチャーじゃなくてベンチも乗っていけたらいいなと思うけど。
――上原さんの「激しすぎるハイファイブ」は、以前この連載の第14回でも書かれていました。意識のありかた以外で、練習から試合中、そして登板まで、本番に自分のベストな状態を持ってくるために上原さんがやっていることはどんなことなんです?
上原 準備やね。メンタルは試合を見て、流れを把握してるだけで、あとはしっかりと準備さえしておけばいい、っていう思いでやってるんで。かいつまんで言えば、準備体操なりで体をしっかりと動かしてからマウンドに上がるという、基本的なことなんです。
――自分の中でのベストな状態の作り方っていうのができているということですね?
上原 ベストかどうかはわからへんけど、やるべきことをやっていればいいんですよ。それで打たれることもあるけど、打たれたら打たれたで仕方ない。
――そうですよね。開き直りですよね。
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上原 会社にしてもそうでしょ? 今日やったから明日に成果が出るということばかりじゃないし、2年後、3年後を見据えた動き方をすることだってあるわけやし。今やっていることが3日後に生きるというふうに考えたり。最終的にはワールドシリーズも制覇したいし、何かにつけていい報告ができればいいと思うけど、結局はコツコツやってきたことが実を結んできてるということですから。一段飛ばしはできないので、一段一段ゆっくり上っていけば必ずいい成果が出ると思ってやるしかない。ぼくはそう思って15年やってきました。焦ってもいい結果は出ないと思うんだよね。
――読者のビジネスパーソンにも響くと思います。本当にありがとうございました。
 
 
飄々、淡々。裏を返せば威風堂々。ただ、そこに驕りはなく、上原投手が言い続ける「とにかく1日でも長く、大好きな野球を続けていきたい」この実直な思いが伝わってきた。10月4日から始まる新たな戦いに向け、上原投手は休む間もなく硬球を握りしめる。
フェンウェイ・パークの外壁には、優勝した年のフラッグが掲げられている。地区優勝の翌日には、そこに「2013 AMERICAN LEAGUE EAST CHAMPIONS」の白いフラッグが加わった。秋風が吹くボストン。このフラッグが赤に変わるまで、戦いの日々は終わらない――。
 
 
 
 

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