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スポーツ 上原浩治のTrust Pitch! vol.14 強さの引き出し 上原浩治のTrust Pitch! ボストン・レッドソックス投手
スポーツ こんにちは、上原浩治です。
開幕して2ヶ月が過ぎ、メジャーリーグは盛り上がってますよ! ぼくのいるレッドソックスも快調! でもね、20連戦など、相変わらず日本では考えられないハードな日程。さすがのメジャーリーガーたちも疲れが溜まって、5月は少しペースが落ちてたかな。まあ、アメリカは移動も大変で、天気が悪かったら試合後に数時間 (こないだは3時間なんて日も!) の待機があってから移動になったりするので、そりゃ疲れないほうがおかしい(笑)。
とはいえ、疲れが溜まるとケガにつながってしまうので、そこは十分気を付けないといけないですね。
さて、今回はちょっと皆さんに質問を。「ぼくが所属するボストン・レッドソックス、どんな雰囲気のチームだと思いますか?」
正解は、「めっちゃ仲がいい、仲間意識の強いチーム」 です。
一度ブログにも書いたことがありますけど、レッドソックスでは、たとえば中継ぎ陣が集まって 「中継ぎ食事会」 をしたりする。これがね、すごく楽しいんですよ! 野球の話だったり、家族の話だったりいろいろですけど、あまりの仲の良さに驚きます(笑)。仲がいいということは、みんな、やっぱりこのチームが好きなんやろうね。チームのことが嫌いなのに選手どうしは仲がいいなんて、あまり想像できませんから。
ぼくね、思うんですけど、チームのメンバーがいいコミュニケーションのもとで過ごせることって、仕事のパフォーマンスにすごくいい影響を与えるんじゃないかな。日本のビジネスパーソンでも、これは同じなんじゃないかな。
仕事を楽しむためには、まずその仕事を好きになること。好きになるためには、所属グループの中で仲間を大事にしたいと思えるような雰囲気が生まれてこなきゃね、やっぱり。そうしたら、もっと仕事を好きになれるし、上司や部下を含める“仲間”から、ポジティブな言葉だって出てくる。
最近よく思うのが、仕事を好きになって、やる気があふれ出す雰囲気の中にいるからこそ、自分の役割をまっとうすることができるんじゃないか。今のぼくは、非常にいい雰囲気に囲まれて自分の仕事=野球をしています。生活環境も整ってるから、自然に仕事にも集中できるよね。
近代野球では、投手陣の役割分担がはっきりしています。会社でいうと部署みたいなもんかなぁ。それぞれの役割がある。
まず 「先発」。先発がいいピッチングをしたらチームに勢いがつくし、試合の流れを引き寄せることができる。また、相手チームの打順や打者のデータをとり、調子を見極めたりもできる。ですので、先発はとにかく勢いのあるピッチングをして、ゲームそのものを盛り上げていくことが大事です。
メジャーで先発が投げるのは一試合に100球が目安です。ローテーションは5人で組んで回します。登板するのは1週間に1回。その時には、自分の出来不出来が試合の勝敗を左右すると言っても言いすぎじゃありません。だから、とにかく、登板するその日に集中できるよう、あらゆる準備をしていきます。
次に 「中継ぎ」。このポジションは非常に難しい。登板のローテーションが週1回と決まっている先発に比べていつ投げるかわからないし、中継ぎが出てくるのはだいたいピンチの時が多い。「このまま行くと失点してしまうぞ!」 という場面で、ピンチをしのぐためにベンチが中継ぎを投入するわけです。
なので、いきなり緊張感のある局面にさらされる。そこをしのいで、試合の流れを自軍有利に変えるのが彼らの役割ですが、毎回うまく変えられるとは限りません。しかも、連戦連投になることだってある。これはめちゃハードですよ、ほんとに(笑)。
先発は1週間という時間が気持ちを切り替えてくれもしますが、中継ぎはそうはいかない。無理やり気持ちを切り替えなきゃいけないし、「こんなもん、ピンチ招いたヤツが悪い! 打たれたって俺の責任じゃない!」 という開き直りだって必要。かく言うぼくも、中継ぎでマウンドへ上がる時は、もう開き直って行きますもん。そう考えると、図太い性格のヤツのほうが向いてるのかもね(笑)。
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