支援先の経営計画発表会の
講演に登壇しました!
会では経営計画書が配られた。私も1部いただいた。中を見ると、企業理念、目指す未来像、現状の課題整理、社員に期待していることなどが書いてある。こういうものをきちんとまとめている会社はそれだけで一つ評価できる。私は「偉いなぁ社長・・・」と思ってページを繰っていた。
そしたら、あるページで手が止まった。そこにあったのは、この役職に就くためにはこんなスキルが必要、こんなマインドセットが必要、そのためには最低限この本を読んでほしい、といったことの一覧だ。いわば、社員の人たちにとっては出世のための参考書だ。
発表会では私の講演の時間も設けられていた。私は計画書のそのページを示しながら、「同一労働同一賃金と二極化の関係」「今進んでいる働き方改革の本質」「社会がそうなっていく中で、まず考えるべきこと」といった内容を社員の皆さんに向けて話した。以下はその場面の再現風の描写だ。再現だから話し言葉のままなのは許してほしい。
「働き方改革」と「同一労働同一賃金」
本質を解説したら社員さんたちが食い付いて来た
でも、働き方改革でそれが駄目ってことにされちゃった。8時間以上の労働はご法度。働きたくても働かせてもらえない。だから、他の支援先の社員さんなんか、バイトしていいですかって会社に聞いて来たからね。子どもの教育費が欲しいからもっと稼ぎたいからって。馬鹿な話だと思わない? 働きたい人から仕事を取り上げて、それでその人は他社でバイトしなきゃいけなくなるって。
皆さんは同一労働同一賃金という言葉を聞いたことがあると思う。けど、あれって結局どういうことか知ってる? ある人がAならAという仕事をしていたとして、何年勤めても、Aという仕事の中でどんなに熟練度が上がっても給料は変わらないってことだよ。
昔は違ったよ。熟練度を評価したし、勤続年数で給料が上がった。だから、君たちが年長になって子どもの教育費が上がってきても、お父さんお母さんは君たちを高校に行かせることができたんだ。大学に行かせることができたんだ。
同一労働同一賃金になってごらん。入社時にAという仕事についたら、ずーっとAの相場とされている給料のまま。子どもが大きくなろうが関係ない。お金がないお父さんはお金がないまま。教育を与える余裕がない家に生まれた子は教育が与えられないまま。だから就職もワーカー職にしか就けなくて、本人が自発的に動かない限り、一生低賃金で終わる。
反対に、給料がいいBという仕事をしているお父さんは、フツーに働くだけで高給取りのまま。その家の子はいい塾に通っていい中学に入り、高校大学とエスカレーター式に進学するエリートコース。選り好みさえしなければ一応名の知れた企業でマネジメントを任せられるから結構な給料だ。フツーに働けばフツーに結婚できて、フツーに子どもを大学まで行かせられる。」
――10代の高卒入社の新人も、20代の若手社員も、私の顔を食い入るように見て熱心に耳を傾けている・・・。私は続けた。
なぜ欧米の労働者は休みが多いのか
その理由を知れば、自分はどうすべきかわかる
そもそも、欧米では休日を利用して何をしているのか知ってるかい? 休みの日に資格取得とかスキルアップのセミナーとかに行くんだよ、自腹で。日本と違って会社が平社員に教育を与えるという考えがないから、今以上の収入を得たかったら自分で勉強するしかないんだ。だから、社会人が大学に入って学び直すのも当たり前だし、そうやって学位なり新しい資格なりを取って、希望の職務や職位が空いている企業に移るんだ。キャリアアップしたいから勉強して転職するんだ。
でも、日本はそこまでドライじゃない。一度入った会社はそうそう辞めるもんじゃないという価値観がまだ主流だ。中途採用組が新卒入社組と全く同じように受け入れられるというのは、よっぽどその人に人間的な魅力があるか、頭が優秀じゃないとない。
だからさ、皆さんは、まずはこの会社で出世することを考えたほうがいいよ。じゃあ、どうやって出世する?
人の倍働くんだよ。しかも8時間労働の中で!
時間は仕方ないよ、会社は延長してあげられないから。人と同じ時間で人より成果を上げるんだ。
だって見てご覧。会社がわざわざこうやって、係長になるにはこう、主任になるにはこう、って教えてくれてる。今日みたいに外部からコンサルタントを呼んで講義も聞かせてくれる。上を目指そうという気にさせてくれる。
言っとくけど、こんな親切な会社、ないからね(笑)。普通は平社員の面倒なんて見ないから。これからますます見ないのが普通になるから。「面倒見なくて構いません。同一労働同一賃金でワーカーはワーカーのままにしておくことで作業員の人件費を抑えましょう。それで国際競争力を高めましょう」っていうのが働き方改革だから。
人と同じ時間で人より成果を上げるには、情報を自分で取りに行く習慣を付けることだ。私も自分の会社でそうしているけど、自分の部署の数字とか、どの時期に何の施策を打ってその成果がどうだったとかは、会社のクラウドでもサーバーでもアクセスしたらわかるでしょう。担当業務をもう一段ブラッシュアップするためのヒントとかは、その気になればネットでいくらでも調べられるでしょう。
今はまだそれほどじゃないけど、来年からは働き方改革が本音むき出しで皆さんを襲います。一生平社員のまま終わりたいと言うんなら、それはそれでいいだろう。その人の価値観だ。だけど、そうじゃない人、もうちょっと挑戦してみたい人は、頑張ったほうがいいと思うよ。」
――来年の勝人塾や講演会で会いましょう。それでは皆さん。よいお年を。
事務局 おぐま経営研究所 勝友会
■1月22日-23日サトカメ栃木MG
事務局 サトーカメラ法人営業課
■1月29日-30日PIO勝人塾
事務局 郡上商業開発
■1月31日大阪勝人塾
事務局 経営コンサルティングアソシエーション
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繁盛請負人佐藤勝人の時事国々リポート
(2024.12.25)
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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