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コロナ禍で飲食店が減少した一方で、さまざまなキッチンカーが登場しブームになっている昨今。開業しやすさに惹かれて始める方も多いものの、1年以内に廃業する割合は約30%と、簡単な事業ではありません。そんな中、キッチンカーという限られた空間・設備の中で、メニューや食材にこだわり、ユニークな発想で差別化を図るキッチンカーがあります。今回ご紹介するBONNIE&FRIED.tokyo(ボニーアンドフライドトウキョウ)もその一つ。“他とはちょっと違う、でもきっとハマるハンバーガー”をコンセプトに、インパクトのある黒いハンバーガーを提供するBONNIE&FRIED.tokyoに、キッチンカーの仕事の魅力や特徴についてうかがいました。
 
 

人の集まる場所に移動できる、自由な営業スタイル

 
自分たちの好きな装飾を施したおしゃれな外観
自分たちの好きな装飾を施したおしゃれな外観
飲食業界での長年の経験を活かし、おいしい料理をつくる、楽しい空間をつくるという目的で開業した店主の赤澤夏子さん。以前からハンバーガーが好きで、⾃⾝の飲⾷業の経験から、ハンバーガーという料理にはまだ改善の余地があると感じていたそうです。キッチンカーを選んだ理由は、自分たちで決められる裁量が大きく、自由に営業できるスタイルが楽しそうだと思ったからだと言います。出店場所を選べたり、車の装飾を自由に変えたりできるのも、キッチンカーの魅力の一つ。アメリカ大使館に出店した際には行列ができ、アメリカの人たちにBONNIE&FRIED.tokyoのハンバーガーが受け入れられたことに、とても驚いたそうです。⼈の集まる場所の中心に⾶び込んでいける自由度の高さも、キッチンカーならではと言えますね。
 
また、顧客との距離感が近く、物理的な距離はもちろん心理的にも、固定店舗とは違い気軽に利用できる雰囲気があります。例えば固定店舗の場合、店舗独自のテーマや雰囲気がそれぞれあり、特に初めて行く店舗では緊張してしまい入店するのをためらってしまう人も少なくないでしょう。でも、キッチンカーには固定店舗のような空間はなく、イベント会場や商業施設の雰囲気を壊すことなく“共存”していて、縁日の屋台のような非日常的な雰囲気も持ち合わせているので、キッチンカー=ワクワクするもの、というイメージがありますよね。それに加えて、BONNIE&FRIED.tokyoの場合はお皿やカトラリーがなくても食事を楽しめる、テイクアウトにフィットしたハンバーガーを提供していることもあり、気軽に立ち寄れるという印象につながっているのかもしれません。
 
反対に、縁日の屋台のようなお手頃なイメージとハンバーガーが持つファストフードのイメージがあることで、苦労したこともあるそうです。赤澤さんがキッチンカーを始めた頃は、今と比べて世間からのキッチンカーへの理解が深くなかったため、来店しても商品の価格やハンバーガーが黒いことに驚き、食べてもらえないこともあったと言います。そのため、赤澤さんは現在も認知度を上げるために試行錯誤を重ねています。
 
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多くの人で賑わうイベントでの様子
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思わず目を奪われる、インパクト抜群の黒いハンバーガー

 
味はもちろん色のバランスにもこだわったチーズバーガー
味はもちろん色のバランスにもこだわったチーズバーガー
BONNIE&FRIED.tokyoのハンバーガーの特徴は、一度見たら忘れられない、インパクトのある黒いバンズ。ちなみに、バンズとはハンバーガーの具材を挟むパンのことで、メインの食材となる肉はパティと呼ばれています。バンズはハンバーガーにとって極めて重要なポジションなので、お店によってはモチモチの食感にしたり、バターの香りを強くしたりなど、さまざまな工夫がされています。そんな中、バンズの色を黒くするというとてもユニークな工夫を施したBONNIE&FRIED.tokyo。
 
オリジナルオニオンソースがやみつきになる「バーガーズユニオン」
オリジナルオニオンソースがやみつきになる「バーガーズユニオン」
モチモチ食感にトリュフ塩がアクセント「モチフリッター」
モチモチ食感にトリュフ塩がアクセント「モチフリッター」
バンズを黒くした理由は、ビジュアルのインパクトを求めたからだと赤澤さんは言います。最初にチーズバーガーのレシピを考え、パティの茶色、チーズの黄色、ケールと葉野菜の緑色、これらを黒いバンズで挟んだらかっこいいのではないか。そう考え制作に取りかかります。それからは、ハンバーガーのバンズで有名なパン工房「峰屋」に飛び込みで相談し、アイデアを出し合いました。その結果、希望に近い黒色が出せて、バンズの風味を損なわず、体に良い効果もあるという竹炭バンズが生まれたのです。
 
また、メニューも豊富で、定番のチーズバーガーに加え、焼き玉ねぎと厚切りベーコン、オリジナルオニオンソースをトッピングした「バーガーズユニオン」や、鯖の竜田揚げに刻んだ生姜とすりおりした生姜を加えた「サバンジャーバーガー」など、ユニークなラインアップ。サイドメニュー・ドリンクは、スパイスを混ぜた衣で揚げた、トリュフ塩で食べる餅のフリット「モチフリッター」や、ベースをその都度変えてつくるオリジナルソーダなど、ハンバーガー以外にもこだわりを感じます。
 
 

他とは大きく違う、個性豊かなキッチンカー

 
東京都を中心に各種イベントや、神奈川県、千葉県でも出店
東京・神奈川など関東圏を中心に出店
キッチンカーという限られた空間・設備の中で、ここまでこだわったメニューを提供する理由。それは、BONNIE&FRIED.tokyoだからこそつくれるメニューしかつくらない、存在意義のような思いがあるからです。コロナ禍を乗り越え自分たちのオリジナリティを確立できたのも、存在意義をぶらさずに突き進んできたからではないでしょうか。そして、黒いハンバーガーというインパクトのある個性が、さまざまな場所に出店でき、自由に営業できるキッチンカーの特性とマッチしているため、より光っているのだと思います。
 
コロナ禍で飲食店が減少した一方で、さまざまなキッチンカーが登場しブームになっている中、メニューや食材にこだわり、独自の発想で差別化を図るBONNIE&FRIED.tokyo。“他とはちょっと違う、でもきっとハマるハンバーガー“というコンセプトであるものの、実際は、”他とは大きく違う“、個性豊かなキッチンカーということがわかりました。そんなBONNIE&FRIED.tokyo自慢の黒いハンバーガーで、非日常を味わってみてはいかがでしょうか。
 
 
BONNIE&FRIED.tokyo
https://bonnieandfried.tokyo/
Instagram
https://www.instagram.com/bonnieandfriedtokyo
 
個性豊かなキッチンカー
Vol.1 インパクト抜群の黒いハンバーガー、BONNIE&FRIED.tokyo
(2024.6.12)

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