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ITで生産性と品質を高める <其の二>

 
 
 仮に、できたとして、それだけのITシステムを使いこなせる需要先は見つからない。使い手の人間教育から始めなければならないし、同時に、今までの業務を仕組み化して全体最適化するコストは莫大な投資になるので、どこの企業も敬遠する。
 
 だから、全世界のITに関っているSEとPGの誰も、それをやろうとしないし、そういう学問も生まれることはない。
したがって、役に立たない、使えないデータベースばかりができあがる。そのデータを他部署のデータとリレーションして、そのリレーションの成果をさらに仕組み化して全体最適化につなげる設計思想はついに実現されず、ITシステムとして組み上がることもない。
 そこに欠けているのは、各部署においてできる膨大なデータのいわゆる “串刺し”=リレーション=共有化された情報処理である。二次・三次入力のない一元管理システムが構築されるには、ITシステムによるリレーションが必須なのだが。
 
 「新たなデータベース」が可視化(見える化)されたり、情報管理帳票ができたり、業務指示書が策定されたり、顧客への情報提供書が策定されたり、つまり管理者の要らない現場が完成して初めて、コスト削減に繋がる。
 この次元にまでITシステムが構築されて初めて、次世代のITシステムによる全体最適化が完成したと言える。
 ITシステムを設計する場合には、最低限、業務が仕組み化されていることと、ITによる串刺しの設計思想(業務プロセスの全体最適化)がなければならない。このことが理解できるSEやプログラマーが必要だということである。
 すなわち、一元管理と口では簡単に言えるが、フロント(営業・販売・CS・代金回収)からバックオフィス(生産・物流・会計財務・労務)までを一元化(二次三次入力のない)して管理する設計思想がなければ、複雑で多岐にわたる業務フローのオペレーションをカスタマイズすることはできないのである。

 
 

 執筆者プ ロフィール 

橋本英夫 Hashimoto Hideo

株式会社 ハッピー 代表取締役

 経 歴 

1949年、兵庫県生まれ。高校卒業後、大型プラントで使用するバルブや弁のメーカーに技術者として就職。蒸気の流体制御機器の設計に 携わる。75年にECCハシモトを設立、浄水再生装置の製造を始める。79年石油系溶剤浄油再生装置を開発し、(株)京都産業を設立。「 ハッピークリーニング」の名称でクリーニング店の経営にも乗り出す。その後、2002年に(株)ハッピーを設立し、従来のクリーニングの 常識を覆す『ケア・メンテ』という新業態を創造して普及に尽力している。2005年、一般消費者に対する啓蒙活動団体としてNPO法人日 本洗濯ソムリエ協会を設立。2006年に、従来の洗浄理論を覆す世界初の「無重力バランス洗浄方法」を発明し、方法論特許・装置特許を取 得。シルエットや風合いを保ったままの「水洗い」を実現し、地球環境に優しく人体に悪影響を及ぼさない画期的な洗浄方法として、世界から も注目を集めている。

 オフィシ ャルホームページ 

http://www.kyoto-happy.co.jp/

 

 

 

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