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コラム 世界珍写行の発想術 vol.10 世界珍紀行の発想術 クリエイティブディレクター

コラム
 
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ある日、仏像が
進撃してきたのか?
 
 
 
広告の仕事をしてちょっといいなと思うことが、ひとつだけある。放浪癖のある人間にはね、特にね。
観光ではほぼ行かないような場所にロケに行く。
日本でも世界でも、いろんなとこにロケに行ったけど、なんつーか、微笑みの国タイは、
マーペンライのタイは、愛すべきアバウトなタイは、ちょっとワクワクしてしまうんだよね、
時々ほどよく度肝を抜かれる、っつーか、
インドは抜き過ぎっつーかw。
 
狭い路地にも人々がぎっしりだ、荷物を山高く積んだリヤカーや、荷物を山高く積んだ自転車や、荷物を山高く担いだおじさんが
「★▼◎#?」叫びながら忙しそうにバタバタ駆けまわる。そしてみんなよく笑っている。いいよね、タイは。
 
CMは、まぁ、テレビから流れる完成の映像を観てもなかなか伝わらないと思うけど、段取りから始まっていろいろ過酷なわけですよ、なんやかんや。
そして、とにかくとにかくスタッフが多いわけ。
広告代理店の営業やクリエイティブ、CMプロダクションのプロデューサーやその下のスタッフ、撮影部、照明部、美術部、スタイリスト、ヘアメイク、ロケコーディネーター、車輌部、それぞれ数人ずつに、タレント、そのマネージャ・・・その他、僕もなんの役割の人なんだろう? とわからない人、数人。
そんな数十人が一斉に現場に入ってガサガサやるのだ。
 
タイの人たちがウジャウジャいる中にカメラをセットして
照明部がレフで太陽光を反射させたり照明を当てたりで、トラブルにならなきゃいいな、と思っていたけどさ。
なんつっても、膝蹴り、肘打ち、立ち技世界最強
タイ式ボクシングの国だもんね。
タイの人たちのよく言えば懐の広い寛容、逆ならアバウトな国民性なのか、僕らの仕事なんてまったく眼中になく「★▼◎#?」だったんでほんと助かったよ。
 
 
そんな中、歩道橋にあがったら、見えたんだよね、
これが、この仏像(?)が。
ちょっと大魔神的だよね、大映的、っつーか。
いまで言えば、ロボットレストランの宣伝トラックみたいなw
(あれも最初見たときには腰が抜けた、そして地方に住む人にはわかりにくいかもだけど、トラックの荷台に巨大な女性セクシーロボットが2体立っていて、歌いながら走るわけ)。
この仏像も、移動式なのかなぁ、だってここ道路だよ。
でも、近くに行ってみると、ちゃんとみんなお花を供えてたりするんだよ、拝んだりして、僕も手を合わせました、なむなむ。
昔からここに存在していたとは思いにくいでしょ。
普通の路上に、突然、仏像がやってくるわけ、笠地蔵みたくノシノシ。
ちょっとシュールだけど、仏像もその場所に縛られなくてむしろハッピーな気もするよね。
 
 
なんかね、無かったものが、強引にでも作ってしまえば、有ることになる。
当たり前だけど、すごいよね。
しかも度肝を抜く威力ならこんだけ目立つんだもんね。
 
 
どうせなら徹底的に目立つこと。そうすると人々の目にとまって、
お花を供えにゾクゾクと人々も来る、
まわりの商店で買い物をする人もふえる、食堂で、屋台でごはんも食べる、お線香も売れる、ちょっとした聖地になる。
 
太古の昔からの聖地とは違う、人工的ではあるけど、
でも、れっきとした結果論聖地
それはそれでいいと思うんだよな。
なんかビジネスにも言えるんじゃないかね。
 
 
 
(今回のキーワード)
無ければ、つくる。
しかも驚異的に。
 
 
 
 

 執筆者プロフィール 

永澤仁 Hitoshi Nagasawa
クリエイティブディレクター/run!run!! planning!!! 海の家 店主

 
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 経 歴 

セブン-イレブン(忌野清志郎さんが歌うブランドの根幹を担う「近くて便利」コミュニーケーション)、バイク王(雨上がり決死隊バージョン)、キリン氷結(発売から6年間)、シチズン(広告&商品開発)など数々のクリエイティブを責任者として手がけ、そのすべてをジャンプアップさせた実績を持つ。競合プレゼンでは独創的なスタイルで3年半無敗を記録。受賞歴は国内外100以上。強い、正しい、面白い! 国も地域も企業も商品もお店も人も、めざすゆたかな高みへ。

オフィシャルホームページ  http://umino-ie.jp
フェイスブック (個人) https://www.facebook.com/hitoshi.nagasawa.35
フェイスブック (海の家) https://www.facebook.com/uminoie777

 
 
(2014.10.29)
 
 
 

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