畑山　ホテル百万石、そして吉田社長がその後どうなったのか気になります。
 
吉田　6年半の間、ホテルは完全にクローズになっていました。その間に私は東京に戻り、旅館の運営コンサルティング会社で働いたんです。そこでいろいろと勉強しているうちに、私が百万石を再生するなら投資しても良いとおっしゃる投資家さんが現れました。それで2015年に石川に戻って、百万石の再生準備に取りかかったんです。ところが原状復帰するのに100億は必要だということで、その方は手を引かれてしまいまして。別の方を紹介いただいたもののそれもうまくいかず、結局、声をかけていただいたご縁で、私は「森の栖」という宿で支配人として働くことになったんです。ちょうどそのタイミングで、今のオーナーがホテル百万石を買い取り「みやびの宿 加賀百万石」として2018年12月にリニューアルオープンすることになりました。
 
畑山　ホテル百万石は、いったん吉田社長の手を離れてしまったと。それなのに、再び吉田社長が関わるようになったのは、どんな背景があるのでしょうか？
 
吉田　2022年5月に、当時の運営会社から「社長として来てほしい」と声がかかったんです。当時私は、森の栖の建て直しを一通り終え、新しくコンサル会社を立ち上げていたので、私を信頼してお仕事を任せてくださった方々を放り出すわけにはいかないとずいぶん迷いました。でも事情をお話ししすると、皆さん口を揃えて「それはぜひやるべきだ」と背中を押してくださったんです。それで、忘れもしない2022年10月17日に株式会社みやびの宿 加賀百万石の社長に就任しました。
 
畑山　いよいよ、吉田社長率いる新生・みやびの宿 加賀百万石が船出したんですね！