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ノウハウ ほめる達人、西村貴好の「ほめるは人のためならず」 第2回 ほめる達人は聞き上手! ほめる達人、西村貴好の「ほめるは人のためならず」 一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長

ノウハウ
皆さんこんにちは。日本ほめる達人協会理事長の西村貴好です。当協会は「ほめる達人」、通称「ほめ達!」の輩出を目的とした団体です。「ほめ達!」とは「お世辞ではなく、心の底から相手の良さを見いだし、あらゆるものから価値を発見できる人」のことを言います。
 
連載を通じて私が「ほめ達!」への道を指南しますので、ぜひ皆さんも「ほめ達!」になって、毎日をイキイキと過ごしてください!
 
 

聞き上手になろう!

 
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今回は、出会った人を味方につける、話の聞き方のポイントを伝授します。自分が口下手で相手をうまくほめられるようなキャラではないと思うなら、まずはこの、話の聞き方から意識してみてください。聞き上手は、「ほめ達!」になるための大切な要素ですからね。
 
では、ポイントを紹介します。相手と会話をしているときに、「要所要所で相手の目を見る」「笑顔でうなずく」「相づちをうつ」「相手が言ったことを繰り返す」「メモを取る」、「相手の話を要約する」「質問する」「感情を込める」――。これらを時宜に応じて実行すると、「この人は自分のことを認めてくれている」と相手は感じるはずです。
 
実はこれ、皆さん無意識にやっていますよね? 誰にやっていますか? そうです。大好きな人にやっているんですよ。メモはとらないかもしれませんが(笑)、大好きな人、尊敬する人にはこういう話の聞き方をしているんです。無意識に聞き上手になっているんですね。
 
では、部下もしくは上司と接したときは? 家族や友人には? 皆さん、同じように聞き上手になっているでしょうか? これを、誰にでもやるのが「ほめ達!」です。好きな人、尊敬する人と接したときのような振る舞いを、誰に対してもするわけですね。
 
特に先輩や上司とうまくコミュニケーションがとれない人は、「質問する」ことをおススメします。「(こんな素晴らしい仕事をする)●●さんは、どんな経験をしたんですか? 師匠がいるんですか?」というように。自分がすごいと思っていること、尊敬できると思っていることを質問形式で伝えるわけです。
 
わかりやすいのは、プロ野球の試合後に行われる、ヒーローインタビューです。あれは質問形式で、相手を賞賛するものですからね。「ホームランの瞬間、どういう気分になられたんですか?」なんていうふうに。皆さんも相手に気持ちよく話してもらうために、名インタビュアーになったつもりで、質問してみてください。
 
 

聞くことは相手を認めること

 
ところで、話を聞くことがどうしてほめることになるのかと思う方もいるかもしれません。でも、話の聞き方を意識するのは、ほめずにほめる、「ほめ達!」の極意の1つなんです。聞くというのは、相手を承認すること。相手を認めることです。つまり、関心を持つことなんですね。相手に関心がなければ、話を聞く気にならないでしょう? 関心がないから質問も思い浮かばないし、ほめるべき長所が見つからない。関心を持つためには相手を知らなければなりませんから、普段の振る舞いを観察する必要があります。
 
前回私は、「人間同士には絶望的な隔たりがあって、簡単にわかえりあえるものではない」「でも、考えが合わないからと言って、相手が間違っているとは断言できない。それは単に、個性の違いだ」と言いました。他人は、自分とは全く個性の異なる存在であることを認める。そういう気持ちでいれば、相手を拒絶せずに受け入れて、関心を持つことができるのではないでしょうか。それが、相手の話を聞く態度につながるはずです。つまりは、自分自身が相手を受容するポジティブさが必要ということですね。
 
 

昔はダメ出しの達人だった

 
さて今回はもう1つ、私がどうしてほめることが大事だと思い至ったかについてお話をします。
 
皆さん、他人にダメ出しをすることがあるでしょう? 私も以前はダメ出しの達人でした。私は商売人だった祖父に、3代目の経営者になるべく幼い頃から鍛えられましてね。祖父はものすごく苦労をして事業を始め、血のにじむような努力で会社を切り盛りしてきた人でしたから、いろいろなところに気が回るし、ミスを未然に防ぐための策をめぐらせる能力のある人でした。
 
私はそんな祖父からいろいろ教え込まれた結果、普通の人が1つ気付くところを、10も20も気付ける人間に育ったのです。その後、大人になって自分の力で創業したのが覆面調査会社でした。依頼のあった飲食店などに出向き、お客のフリをしてサービスや接客対応の状況を調べる。それで、ダメだった部分について店舗を運営する方々に報告するんです。
 
とにかく粗探しは得意ですから(笑)、「これでもか!」というくらいにその店のダメだったところを指摘していました。私はそれが、その店のためになると思っていた。でも、店の売り上げはちっとも上向かないんです。
 
どうしてだろう? と悩みました。それで、180度やり方を変え、その店のいいところに注目してみた。例えば、「店員Aさんの接客時の笑顔が本当によかった」なんていうふうに。ダメなところには目をつぶって、できるだけ長所を探してみる。
 
本当は、改善すべき点がいいところの5倍くらいはあったんですよ。でもそれについては、すぐに改善できそうな項目を1つか2つ指摘するくらいにしておきました。残りは言わずにおいて、その代わりによかったところを全て報告したんです。
 
 

ほめられるとレベルアップする

 
数ヶ月後に店舗を訪れると、驚くべき光景が広がっていました。長所として指摘した部分は継続されているのは当然として、こちらがダメ出しせずにいたことを、その店のスタッフは自分たちで気付き、改善していたんです。
 
この発見で、私はほめることの重要性を思い知りました。大事なのはダメ出しをするのではなく、ほめること、相手を認めることだったのです。ダメ出しをすると、その部分だけしか直してくれない。いっぽう、よかったことだけを報告して素直にほめると、モチベーションが上がり、業務上の改善点を自分たちの力で探し出し、自主的に改善に努めるようになったのです。
 
私はそんな経験を経て、ほめることの素晴らしさを広めるべく、当協会を設立しました。いずれこの連載の中で、ほめることで業績をアップした企業のこともご紹介できればと思います。また来月お会いしましょう!
 
ほめる達人、西村貴好の「ほめるは人のためならず」
第2回 ほめる達人は聞き上手!
 

 著者プロフィール  

西村 貴好 Nishimura Takayoshi

一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長

 経 歴  

1968年生まれ。大阪府出身の「泣く子もほめる!」ほめる達人。ホテルを経営する家の3代目として生まれ、経営術を学びつつ育つ。関西大学法学部卒業後、大手不動産に入社して最年少トップセールスを樹立。その後、家業のホテルを継いで経験を積み、2005年に覆面調査会社「C’s」を創業する。短所ではなく長所を報告したほうが調査対象の企業成長に効果があると発見し、「ほめる」ことの重要性に気付く。数々の実績を上げる中で、2011年10月に「ほめ達!」検定を実施する、一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し、理事長に就任。以降、検定を通じて「ほめ達!」の伝播に尽力している。著書に『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文館出版)、『ほめる生き方』(マガジンハウス)、『心をひらく「ほめグセ」の魔法』(経済界)、『人に好かれる話し方41』(三笠書房)などがある。

 日本ほめる達人協会オフィシャルサイト 

http://www.hometatsu.jp

 西村貴好オフィシャルブログ 

http://ameblo.jp/nishitaka217/

 フェイスブック 

https://www.facebook.com/hometatsu

 ツイッター 

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(2016.11.18)
 
 

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