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日本初!? 気仙沼の新鮮な魚貝を“生”でお届け! ネットショップ「まぐろの目玉」

 
 
本誌で過去にコラム「世界珍紀行の発想術」を連載していたクリエイティブディレクターの永澤仁さん。セブンイレブンやバイク王などのCMを手がけたことで知られるその永澤さんが、昨年11月から地元である宮城県気仙沼の魚市場に集まった魚貝を生のまま真空パックでお届けするショッピングサイト、「まぐろの目玉」をスタート。
 
「気仙沼でしか食べられない魚貝の“おいしい驚き”を届けたい」と語る永澤さん。でも、クリエイティブな仕事を手がける永澤さんが、なぜ魚屋を!? 気仙沼の良質な魚貝の“生のおいしさ”を体験してもらおうという、日本初とも言えるビジネスの内容と、立ち上げの経緯をうかがいました。
 
 

おいしくて珍しい素材を生でお届け!

 
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ショップのコンセプトは「三陸気仙沼の美味と稀少味、知らなかったおいしい世界を提案!」。一般市場で出回る魚貝のほとんどが冷凍であるのに対し、「まぐろの目玉」では気仙沼の魚市場だからこそ提供できる良質な旬の素材を真空パックし、クール便で全国どこへでもお届け。扱う品々はおいしいだけでなく、日常では食べる機会も得られない気仙沼の稀少な魚貝ばかりです。
 
例えば本マグロの頭部。通常は手に入らない脳天、頬肉、脳天下、眼肉などを部位ごとにさばいたセットは、味や食感がそれぞれ異なるため、口に運ぶたびに新鮮な驚きが味わえます。
 
その他にも、気仙沼に集まるおいしい稀少魚、稀少部位を惜しみなく提供。生だからこそ味わえる食感や香り、そして旨味を楽しんでもらうため、コストと手間を惜しまないサービスを展開しています。「びっくりした!」「今まで食べてた魚とは全然違う!」「箱を空けたら歓声が上がった」など、体験したことのない感動に、リピートはもちろん、知人への紹介もたくさんあり、注文が増加しているそうです。
 
 

安定供給が課題

 
開店から約3ヶ月。店主の永澤さんも手応えを感じている様子ですが、実は生で提供するからこその悩みどころも。
 
「ホームページで提供可能な素材を公開しているけども、難しいのは、魚が獲れなければ市場にも出てこないので、お客様の望む日に商品をお届けできないケースがあること。だから表立ったメニューとして加えられない品もある。ニーズに応えるために“いつでも提供できます”ってやるなら冷凍にならざるを得ない。だけど、それじゃあ俺が店をやる意味がないからね。こちらに素材はお任せしてもらって、旬のものをパックにして提供するといった工夫も必要になってきた」。
 
天然かつ新鮮な生の素材にこだわるからこその悩み。しかし、逆に考えると「まぐろの目玉」で注文できる商品は、「気仙沼で獲れたその時期で一番旬の魚貝」だということ。どの季節にどんな素材が獲れて、それがどんな深い味わいを持っているのかを知れるから、食べる行為に大きな喜びと感動を得られるのです。
 
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気仙沼市活性化のきっかけに

 
常識にとらわれない販売形態は、クリエイティブな仕事を手がける永澤さんだからこそできる発想。でも魚屋を始めたのは、本業で輝かしい実績を挙げてきたことにも要因があるのだとか。
 
「俺はCM制作などを通じて、クライアントのお金を使って事業のサポートをする仕事を続けている。だから、極端に言えば失敗しても報酬はもらえるし、あまり自分は損をしない。それで、生まれ育った実家が商売屋だったことなどもあって、自分のお金と体を使ってやれることがないかを考えた。それがちゃんとした商売じゃないかと思ってね」。
 
そこで永澤さんの脳裏に浮かんだのが故郷でもある気仙沼のこと。永澤さんは東日本大震災の4日後に現地に向かい、故郷の惨状を目の当たりにしています。市長らとも面会して対話を重ねたものの、何らかの取り組みをする話が具体化することはなかった。
 
「自分が地元に対して何もできていない心残りはあったな。それで去年の秋に魚を販売するビジネスを思いついて、すぐ取りかかることにした。俺は以前、『もったいないワタシの売り方』という著書で、他に依頼せずに自分のビジネスは自分で発想し、発信し、継続していく――ということを書いた。それを自分の手で実践しようと思ってさ」。
 
 

自らの手で実践した成果を気仙沼に還元

 
やることが決まると、急ピッチで開店準備をスタート。地元で仲買をする同級生ら、たくさんの漁業関係者の方々から力強い協力を得るとともに、店主を務める永澤さん自らがパンフレットやホームページづくりを一から手がけました。現在は、商品開発やフェイスブックでの告知などのPR活動を自分で行っているそう。今後は飲食店などへの供給も視野に入れています。
 
「飲食店は、こちらから『こういう魚があるけど、要る?』と聞ける側面もあるでしょ? そういう意味では、一般のお客様に販売するのとは異なる合理性がある。そこは何とか開拓したい。いっぽうで、お客様はホームページを見て『●●が買いたい』と言ってくるわけだから、それに対してもできるだけニーズに応える工夫と努力をしないとね。」
 
「まだ利益を出すにはほど遠いけど、自分のアイデアを自分で手間暇かけて実践できる。お客様や気仙沼の仲間とのコミュニケーションも含めてね。そういうことがやりたかった。取り組みを通じてお客様に今まで体験したことのない、おいしい驚きを感じてもらって、気仙沼のことを今までよりも少し意識してもらえるようになればいいんじゃないかな」。
 
 

 著者プロフィール  

永澤仁 Hitoshi Nagasawa

クリエイティブディレクター/run!run!! planning!!! 海の家 店主

 経 歴  

セブン-イレブン(「近くて便利」コミュニケーション)、バイク王(雨上がり決死隊バージョン)、キリン氷結(発売から6年間)、シチズン(広告&商品開発)競合プレゼンでは独創的なスタイルで3年半無敗を記録。受賞歴は国内外100以上。強い、正しい、おもしろい! 国も地域も企業も商品もお店も人も、めざすゆたかな高みへ。2013年に『もったいないワタシの売り方』を出版。2016年11月には、故郷の宮城県気仙沼市の魚市場の新鮮な魚貝を販売する「まぐろの目玉」をスタート! 気仙沼の漁師が獲った海の幸を生にこだわって真空パックでお届け。稀少価値の高い部位をおいしく食べられるとリピーターが急増中!

 まぐろの目玉 オフィシャルサイト 

https://maguronome.thebase.in/

 フェイスブック(まぐろの目玉) 

https://www.facebook.com/maguronomedama777/

 フェイスブック(個人) 

https://www.facebook.com/hitoshi.nagasawa.35

 フェイスブック (海の家) 

https://www.facebook.com/uminoie777

 
 
(2017.2.20)
 
 
 
 

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