人生の節目節目で仕事への意識が変化してきたと語る勝地さん。考え方に変化がある中で、一貫して俳優業に取り組むモチベーションが何なのかお聞きすると、「実は、それは10代の頃から変わっていない」と答えてくれた。
好きなことに取り組むから楽しい
僕はもともとテレビっ子、映画っ子なんですよ。テレビドラマや映画、舞台を観て感銘を受けて、「自分もあの場所に立ちたい」と思ったときのことは今でも覚えています。その当時の衝撃や感情が、いまだに僕の中に残っているんです。だから、「テレビに出られて嬉しい」「映画に出演できて嬉しい」という喜びが今でもモチベーションになっているのだと思います。
当時憧れていた方々と一緒に仕事ができることも大きなやりがいです。尊敬している大先輩の一人である古田新太さんからは、本当に多くのことを学ばせていただいています。例えば、仕事への向き合い方で「熱くなれば良いわけではない」と気付いたのも、古田さんがきっかけです。セリフを言う際に、どのように表現するのが良いのか悩んでいるときは、監督に聞く前に一度やってみれば良いと教わりました。
僕は単純なので、セリフ一つひとつを深掘りして、考え抜いて演じようとしていたんです。舞台においても、「ここは感情を昂らせて・・・」と考えていると、古田さんに「今日のお客さんの雰囲気だと、もう少しスローペースのほうが良いよ」と言っていただいたこともあります。古田さんのように冷静に分析して、良いものを提供できるようになっていかなければいけないと感じました。
最近は、若い世代の方々から「テレビで見てました!」と言ってもらえることも増えてきました。僕が古田さんのことを大好きなように、下の世代の方たちに慕ってもらえる人間になることが目標の一つです。多くの先輩から学んできたことを、次世代の俳優たちに伝えていければと思っています。
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori)
(取材:2023年3月)