目標達成のために全力疾走
楽しみながら走り続ける!
元マラソン選手 高橋尚子
2000年のシドニーオリンピックの女子マラソンで金メダルを獲得して、国民栄誉賞を受賞。翌年のベルリンマラソンでは、当時の女子世界最高記録を樹立するなど、輝かしい実績を持つ高橋尚子さん。現在はスポーツキャスターやマラソン解説者を務めるなど、さまざまなフィールドで活躍している。日々、目標を立ててそれを達成するために全力を尽くすスタイルは、現役時代と変わらぬ手法だという高橋さん。そこで、高橋さん流の仕事の楽しみ方をうかがった。
将来に向けてさまざまなことを吸収
現在はマラソン大会のイベントに参加したり、解説を務めたりして、走ることの楽しみを皆さんにお伝えする仕事が主になりますね。また、公益財団法人日本陸上競技連盟や公益財団法人日本オリンピック委員会など、スポーツ関連団体の仕事のほか、テレビ番組でスポーツキャスターの仕事をすることもあります。キャスターの仕事は現役を退いて比較的早い時期からお話をいただいて、これまでにいろいろなアスリートの方からお話をうかがってきました。
私の経験してきた陸上とは異なる競技のアスリートでも、現役時代の私と似たような思いで競技に臨んでいる方もいますし、まったく異なるスタンスの方もいます。選手ごとに、「アスリートはこうあるべき」という考え方にも当然違いがありますし、いろいろなタイプの人がいて、その考えや思いを知れるのは、とても楽しいですね。
というのも、現役時代はやっぱり自分自身のパフォーマンスが大事ですし、トレーニングがハードでしたから、そこをきちんとこなすことに集中しないといけません。だから私は、ライバルたちがどんなトレーニングをしているのかすら知らなかったですし、ましてや他競技のアスリートの方々と知り合う機会もほとんどなかった。
だからこそ、キャスターの仕事を通じて他競技のアスリートの方との共通点や、違いを知ることができるのが、とても勉強になるんです。そのように現在は、将来に向けてさまざまなことを吸収して自分の血肉としながら、引き出しを増やしている時期だと思っています。