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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
野口さんが活躍していた時代は、日本女子マラソンの黄金期とも呼ばれている。現役選手にアドバイザーとして接する中で、今後の日本女子マラソン界においてどのようなことを期待しているのかもお聞きした。
 
 

世界と対等に戦える選手がそろっている

 
日本女子マラソンは、一時期低迷していると言われていました。でも、今はとても活気づいていると思いますよ。私の印象では“泥臭い”練習ができる子が多いと思っています。高橋尚子さんや渋井陽子さんなどが活躍していたときは、本当に誰が日本代表に選ばれてもおかしくないくらい、みんな強かった。それは、みなさん泥臭く、距離を稼ぐ練習をしていたからではないでしょうか。
 
私は、マラソンの勝負はレース前から始まっていると考えています。だから記者会見などのコメントも強気でポジティブなことを発したほうが良いんですよ。あとは、具体的な目標を話すこと。最近は、それができる選手がそろってきたなと嬉しく思っています。きっとみんな、自信を持てる練習をこなしてきているんでしょうね。
 
今の女子マラソン界には、一山麻緒選手や松田瑞生選手など個性的で実力のある選手がそろっています。今のところ私が保持している日本記録も、あっという間に塗り替えられるんじゃないでしょうか(笑)。ただ、まだまだ世界各国の選手とは実力に差があるのが現状です。世界の舞台でも対等に戦ってもらいたいと、今後の展開に大きな期待を寄せていますよ!
 
 
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori)
 
 
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野口みずき(のぐち みずき)
1978年生まれ 三重県出身
岩谷産業陸上部 アドバイザー
 
中学生の頃から陸上を始め、高校生のときには3000mでインターハイに出場した。高校を卒業後実業団に所属。1999年、犬山ハーフマラソンで優勝、世界ハーフマラソン選手権では銀メダルを獲得。2004年にはアテネオリンピック女子マラソンで金メダルを獲得した。2016年の名古屋ウィメンズマラソンを最後に引退。現在も、日本記録およびアジア記録を保持している。
 
 
(取材:2021年4月)