不自然であることを知り
台詞と格闘するのが俳優
12月19日から、東京芸術劇場プレイハウスにて舞台『てにあまる』が上演される。出演および演出を手がけるのは、俳優の柄本明さんだ。どのような舞台になりそうかと聞くと、「何事もやってみないとわからない」と笑って答えてくれた柄本さん。インタビューからは、長年第一線で俳優として活動されてきた貫禄と、「やってみなきゃわからない」と語る柔軟性が感じられた。
考えることを楽しめるように
舞台『てにあまる』では、藤原竜也さん、高杉真宙さん、佐久間由衣さんと共演します。僕が座長を務める劇団東京乾電池では、以前から演出も手がけていました。でも、劇団の外の方の演出を手がけるのは初めてなんです。また、高杉さんと佐久間さんとは今回が初共演。どのように演出していけば良いのか、まだまったくわからない状態です(笑)。実際にやってみなきゃわからないですね。
よく知っている人であれば、その人の個性やキャパシティもわかっているので、やりやすい面もあると思います。ただ、誰であれ人間には底知れないものがありますから、人と人とが一緒に何かに携わると、予想もしなかったものが生まれることもあります。そういった化学反応を楽しんでいければ良いなと思いますね。
また、今回は東京芸術劇場プレイハウスという、客席数834席の大きな劇場での上演です。普段は小さな劇場で行っています。私にとっては、大きな劇場での舞台は初めての経験です。普段とは違う何かが起こるんじゃないかなと思っています。
今回の演出に関してもそうであるように、事前に「こうする」と決めて行動に移すことはしません。何も決められないですね(笑)。ただ、その場その場でどうすれば良いのか考え、少し変化を加えるだけでガラっと物事は変わります。そうやって考えることを楽しめる舞台にしたいですね。