可能性の扉は常に開けておくこと
先ほどラジオとテレビの違いをお話しましたけど、ナレーションとなると、また別物なんです。プロデューサーさんが僕に何を期待して起用してくれたのか、正しく理解する必要があります。ですから製作現場で話し合い、お互いの意識を刷り合わせることから始まるんです。そして、僕は皆さんが期待してくれていることをやり遂げるだけでなく、その期待を1%でも上回りたい。だから、現場で新しい提案ができるよう、常により良い方法や表現を考えています。
これからも新しい仕事にはどんどんチャレンジしていきたいですね。でも、「この仕事がしてみたい!」という具体的なイメージは持っていないんです。どんな依頼をいただけるかが楽しみなので。「ええー!? やったこともないし、想像もつかない!」って驚かせてほしい(笑)。「想像もつかないけど、やらせていただこうかな」と挑戦することが、この仕事で働くことの醍醐味だと思っています。
だから、自分自身の可能性の扉に鍵をかけちゃいけないんです。むしろ、扉は常に開けておかないと。これは業種に限らず、そうだと思いますよ。だって、そのほうがワクワクしませんか? 何事も、“おもしろがる”ことが大切です。「嫌だなぁ」と思って仕事をするのは、時間がもったいない。どうせやらなきゃいけないのなら、少しでもおもしろいことを見つけて、楽しんだほうがいいですよね。僕は今後も、ずっと仕事をおもしろがり続けたい。そして、周りの方々に僕の楽しみを伝染させていければ、幸せですね。
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori)
ジョン・カビラ
1958年生まれ 沖縄県出身
大学卒業後に就職したCBSソニーレコード(株)在籍時に、イングリッシュDJコンテストで優勝する。その後、独立した元上司に誘われ、会社勤めを続けながらFM横浜でDJとしてデビュー。1988年のJ-WAVE開局からナビゲーターとして出演、CBSソニーを退職した。2012年に、J-WAVEの電波が東京スカイツリーからの発信に切り替えられた際には、最初の音声発信を担当。現在はラジオ番組の他、テレビ番組の司会やナレーション、スポーツ番組など多方面で活躍している。
公式サイト
http://www.jonkabira.com
(取材:2016年4月)