「仕事が大好き」と迷わず言い切るLiLiCoさんに、「仕事を楽しんでいる人と聞いて、今思い浮かぶのは?」と尋ねると、ハリウッドスターのトム・クルーズ、俳優の別所哲也氏、そしてアメリカで女優やテレビ番組の司会者、プロデューサーとして活躍しているオプラ・ウィンフリーの3人の名を挙げてくれた。
やりたい仕事に全力で取り組む
トムは映画のプロモーションで来日する時は10時間くらいしか滞在時間がないのに、嫌な顔一つせずに仕事に取り組んでいるところがすごいです。しかも、その合間にトレーニングジムで身体を鍛えていたりするんですよ。8月7日から日本でも公開される『ミッション・インポッシブル』の5作目では、大スターにも関わらず、危険なスタントにも自ら挑戦している。本当に、格好よすぎますよね。
別所さんは「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」という映画祭を自ら立ち上げてしまうような人。たくさんのルールやしがらみに縛られがちな日本で、そんな大きなイベントを毎年手がけていて、回を重ねるごとにイベントの知名度を上げている。私も昨年に引き続き、アンバサダーとして今年も仕事をさせていただきましたけど、私にはここまでできないなぁと思ってしまうくらい、素晴らしい仕事をしている方です。
オプラ・ウィンフリーは、自分のやりたい番組を作成するために、自分でテレビ局までつくってしまうくらいのバイタリティの持ち主です。慈善家としても有名ですよね。しかも、自分自身の昔のファッションについてダメ出しできちゃうようなユーモアも持ち合わせていて、そういうところも格好いい。特に私はインタビュアーとしての彼女に注目していて、仕事の参考のために、映像に残っている過去20年くらいの彼女のインタビューを、研究したこともあります。
やっぱり、常識やルールに縛られず、自分のやりたい仕事を実行するために全力で道を切り開いている人は格好いいなって思うし、楽しそうに仕事をしています。私自身も、あんなふうに仕事をしたいと思いますね。
映画コメンテーターとして、たくさんのスターにインタビューを行っているLiLiCoさん。多忙を極めるスターたちの魅力を短い時間で引き出すために、どんな工夫をしているのだろうか。
何に対しても興味を持つこと
例えば営業をしている方は、事前に営業先のことを調べておきますよね。私も、インタビュー相手の映画は必ず見ます。そして、その作品についてどう感じたかを整理して、感想を言えるようにしておく。インタビュー中、「あのシーンで堪えきれずに、私も泣いちゃいました」とか「悪役ぶりが素晴らしすぎて、あの場面ではあなたをナイフで刺してやりたいと思ったわ(笑)」などと感想を話せば、「ちゃんと作品を見ていて、自分に関心を持ってくれている」ということが相手にも伝わりますから、気分よく話してもらいやすくなりますよね。
特別な質問なんて、さほど必要ないんです。オプラ・ウィンフリーのインタビューを勉強したと言いましたけど、過去のインタビューを穴のあくほど見ても、彼女はこちらがハッとするような質問は特にしていませんでした。いたって普通の内容です。恐らく、彼女の人柄がそのものが、インタビューイから興味深い言葉を引き出しているんだと思います。
要するに、知識も大事ですけど、心で相手と接することが何より重要なんです。別の言い方をするのなら、目の前の人に恋をするのが大事ってことでしょうね。相手を好きになって、興味を持たないと質問って出てこないんですよ。
水の入ったペットボトルを見て、単に「水だ」と思うだけでなく、「何でキャップをこの色にしたんだろう」「どうしてこういうラベルにしたんだろう」って、興味を持てば質問なんていくらでも出てくるものです。そういう意味では、自分の心で何かを感じようとして日々を過ごすことがとても大事。何かしら感じて生きていけば、言葉って自然と思い浮かんできますからね。