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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

飛躍中の芸能プロを支える
人間力重視の人材育成術


 

目標イメージを明確に、強く持つ

 
――作家になる前の新堂氏は、自分の本が書店に平積みになっているのを強く想像し、必ずそのイメージが現実のものになるというイメージトレーニングをしてきたという。芸能プロでも同様で、自分が成功している姿を思い描けるかどうかがひとつのカギになると語る。そしてその目標は、当然ながら高いものでなくてはならないわけで・・・・・・。
 
 たとえば、今夏に行われたワールドカップ。日本代表がベスト16という結果を出しましたよね。もっとも当初の目標はベスト4だったのですが、日本国内では 「よくやった」 という声が非常に多い。もちろん、選手たちは素晴らしい結果を残していると私も思います。
 その中でふと気になったのが、今回の活躍で一躍注目を浴びた本田圭祐選手(CSKAモスクワ) のコメントでした。チーム全体が掲げている目標はベスト4でしたが、彼はインタビューのコメントの中ではっきりと 「優勝を目指す」 と掲げていました。その高い目標と、ヴィジョンが、結果の成否に大きくかかわってくると思うんです。事実、本田選手はW杯開催前と後では注目度がまるで違っていたでしょう? 私もそれと同様に、もう間もなく、女優からはヒロイン役のオファーが来るような売れっ子を出し、所属アーティストならばメジャーでブレイクさせるという目標を、“現実の視線” でとらえているんです。

 

内外の信用力を高めるためには・・・・・・

 
―― 新堂プロの所属女優やアーティストたちは、皆10代ばかりだ。多感な思春期にある彼女たちは、人一倍、大人の言動に敏感だろう。それに何より未成年である以上、親が新堂氏を信用しなければ、所属などということはありえない。だが、新堂プロのタレントや親たちはそろって新堂氏への圧倒的な信頼を口にする。はっきり言ってしまうと特異な外見で、ともすれば誤解を招きかねないいでたちをしながらも、そこまでの信用力を獲得できているのはなぜなのだろうか?
 
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 確かに私はちょっと特異な見た目ですからね(笑)。 なぜこのようなスタイルなのかは本論とはずれるので置いておくとして、やはり信用力となっているひとつは、私が小説家であることや、テレビなどに多く露出しているからでしょう。私のようなスタイルでなくても、芸能界というのは 「怖い」 というイメージがつきものです。社長がどんな人かわからない・・・・・・ それだと不安になるでしょうが、新堂プロの場合はわかりやすいですから。だから私はテレビ番組などに呼ばれたら、極力そのオファーはお受けするようにしていますし、現時点ではプロダクションの宣伝になるならば、広く露出しているんです。
 でもそれだけではありません。私が最も大事にしているのは、現場で必ずタレントたちと一緒になるということなんです。芸能界だけでなく他業種の企業でも、社長さんが現場にかかわる機会というのは決して多くはないでしょう。社長としての職務もありますからね。しかし、新堂プロの場合は、タレントたちや親御さんが直接私とかかわっているから、私の言動いかんが直接信用につながるわけです。社長と直に触れ合うということは社員ないしタレントとの間での結束力が非常に高まっていくんですよね。
 
 

Assassinに見る、新堂流タレント育成論

 
―― その新堂プロが、社運をかけているプロジェクトがあるという。ボーカル&ダンスユニット 「Assassin(アサシン)」 だ。今秋にはデビューが内定しており、現在は都内各所でライブを中心に活動を行っている。新堂氏はこの Assassin について、2011年の上半期には全国認知がなされ、年末の賞レースに食い込めるように売り出したいと自信をもって語る。その自信の裏には、新堂氏ならではの確固たる育成論があった。
 
 芸能業界において、アーティストやタレントは、すなわち 「商品」 と言えるわけですよね。しかし、その商品を世に出す目的がないと、私は商品価値は上がらないと考えています。女優の場合は、ドラマや映画の配役によってイメージが変わりますので、少し方法論は違いますが、Assassin の場合は 「彼女たちをどういう目的で世の中に出すか」 という目的が明確なんですよ。もっとも芸能ビジネスである以上、ビジネスとしての考え方はありますが、それよりもまず彼女たちにしか伝えられないメッセージを社会に伝えてもらう役割を期待しているんです。
 たとえば、10代の子どもたちに 「未成年者の喫煙はいけない」 「覚せい剤は人生を狂わせる」 とか、もっと身近なところでいえば 「どこにでもゴミをポイ捨てしてはいけない」 などのメッセージを発するとします。これをいわゆる大人世代の親や教師が言っても反発しますよね、子どもは。でも同じ世代が言うならばどうか? 同世代の影響力のあるアーティストが語りかけると、理屈抜きにスッと入ってくるでしょう。そこにはある種の仲間意識のような、「共感」 があるからなんです。
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新堂冬樹氏の小説タイトルにもなった 「Assassin」 は 「暗殺者」 の意。
メインボーカルのReinaを筆頭に、Nana、Yumeka、Kyoka、Shiika
というパフォーマーたちで構成され、平均年齢が13歳ながら、いずれも
全国屈指の実力と実績を残しているメンバーが集結。6/21のファースト
ライブでは、200人の音楽業界関係者を驚愕させるステージを見せ、
その後も都内各所でのライブで注目度を高めている。

 Assassin と同世代の思春期の少女たちなんて、まさしくそう。彼女たちの代表曲である 『SETSUNA☆思春期』 や 『傷だらけの果実』 という曲は私が作詞しているのですが、Assassin が歌う楽曲で同世代の子どもたちに気づきを与えたいと思って、共感しやすい世界観の歌詞にしているんです。それが思春期の子どもに向き合う親御さんたちを助けるひとつの方法や手段になってほしいと願って。つまり、Assassin には 「世直し」 のような役割を持たせているんですよ。やはりこのような社会貢献的なコンセプトは、あえて 「商品開発」 というならば、それを語るうえで欠かせないことのひとつですね。
 ちなみに、Assassin はアイドルグループではありません。メンバーが 「夢をかなえる」 という点では同じですが、何かを発信するという点では、アイドルだとカルチャーリーダーになりえませんからね。
 
 
 
 

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