サンタ・マリア・ノヴェッラ祇園 | 仕事を楽しむためのWebマガジン、B-plus（ビープラス）

◆ 古都・京都で出会う
世界最古の薬局

京風情豊かなサンタ・マリア・ノヴェッラ祇園。銀座に本店を構える

レストランの姉妹店「ジャッジョーロ祇園」を併設している

　日本の古都・京都の中でも、独特の雰囲気を持つ祇園。今なお花街の趣を残し、紅殻格子が特徴的な古い京町家があちこちに見られます。日本の文化と伝統を感じさせる魅力的な街の一角に、2012年の4月、イタリア・フィレンツェが誇る “香りの芸術” 「サンタ・マリア・ノヴェッラ」がお目見えしました。京都では「サンタ・マリア・ノヴェッラ・ティサネリーア京都」に続く2店舗目の祇園店は、築100年以上の京町家をリノベーションしたもの。日本的な佇まいに、イタリアの古都・フィレンツェの空気が漂う魅力的なショップとなっているのです。

　サンタ・マリア・ノヴェッラといえば、知る人ぞ知る “世界最古の薬局”。13世紀より、予防医学や自然治癒をコンセプトに、天然の植物のエッセンスを閉じ込めた格調高い香りで、多くの人々に癒しを与え続けています。古き良きものを大切に継承する京都で、時代を超えて受け継がれるサンタ・マリア・ノヴェッラの香りに触れました。

◆ 修道院の癒しの思想から
香りの歴史が始まった

オーデコロン（14700円～）のラインアップは、現在40種以上！

　世界最古の薬局として知られるサンタ・マリア・ノヴェッラのプロダクツは、オーデコロンやソープから、インテリアに至るまで、ライフスタイルに深く関わっています。いずれも、オリジナルの優美な香りがシリーズで揃うのが嬉しい限り。

　現代における “薬局” というフレーズと、オーデコロンをはじめとする香りのアイテムが結びつかないという人も多いかもしれませんが、アロマテラピーがストレス解消や体質改善に効果がある通り、香りは心身の健康と密接に結びついているのです。

京都「松栄堂」とのコラボによるインセンス。

4種の香りが揃う「インチェンソ」（5040円）

　もともと、サンタ・マリア・ノヴェッラの誕生は、1216年に創設されたドミニコ修道院の教義の一つである “救済” 活動に基づいています。

　当時からハーブの栽培が行われていましたが、1221年にはフィレンツェの小さな修道院で、救済の実践として製薬活動がスタート。以来、植物学と科学的な知識を駆使し、ハーブの効能や効果を活かした様々なアイテムが生まれました。

当時は消毒効果があると信じられていたローズウォーターが、今なお、代表的なアイテムとしてラインアップしていることに、驚く人も多いかもしれません。同時に、何世紀も前に優れた技術を有し、品質を保ち続けていることに感嘆せざるを得ないでしょう。

ギフトボックスには版画によって、サンタ・

マリア・ノヴェッラ教会が描かれている

生活に癒しを与えるルームアロマも充実。

ルームスプレーは各種12600円

オーデコロンと香りをコーディネートできる

アフターシェーブローション（3種各7140円）

◆ 時代を超えて愛される
サンタ・マリア・ノヴェッラ

かつて、製品づくりに使われていたという薬壷

　現在も、サンタ・マリア・ノヴェッラのプロダクツは伝統のレシピに基づき生産されています。植物の成分を豊富に使用するため、気候による素材の成育状況に生産の状況が左右されることもしばしば。一つひとつに人の手が加わるため、大量生産ができません。このこだわりも、“香りの芸術” と称されるゆえんでしょう。

　現在40種以上展開するフレグランスの中には、歴史に名を残すセレブと縁があるものも。16世紀、フランス王へ嫁いだカテリーナ・ディ・メディチのために調合された「王妃の水」こと「サンタ・マリア・ノヴェッラ」は、シトラスの軽やかな香りで、500年近くにわたり多くの人々を魅了し続けています。フレッシュなグリーンの香りが清々しい「フィエノ」は、ナポレオンも纏った香りとして、愛用する男性は数知れず･･･。その他、京都とフィレンツェの姉妹都市40周年を機に生れた「チッターディキョート」は、フィレンツェの象徴であるアイリスと蓮をブレンドし、オリエンタルな香りとして海外で大人気なのだとか。

　店頭では、実際に香りを確かめながら、お気に入りを見つけることができます。コロンやバスアイテム、インテリアまで好きな香りで揃えるもよし、気分やシーンによって使い分けるもよし。自分のライフスタイルに合わせて、香りを取り入れてみてください。厳しい残暑による心身の疲れも安らぐことでしょう。