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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

利用者の自立を妨げない
ほど良い介護支援を

 

挫折から立ち直り、介護の世界へ

 
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矢部 具体的には、どのような方が利用されているのでしょう。
 
辻尾 身体障害や知的障害、精神障害といった生きづらさを抱えておられる方がご利用くださっています。当事業所は、利用者様それぞれの特性に合わせた支援を心がけているんですよ。
 
矢部 一人ひとりに応じた支援は、利用者さんにとって心強いと思います。もともと辻尾社長は、福祉業界で働かれていたのですか?
 
辻尾 いえ、それが紆余曲折でしてね。大学を卒業してから10年経った2025年現在、社歴も10社なんですよ(笑)。
 
矢部 お仕事経験が豊富なんですね。よろしければ、これまでの歩みを聞かせてください。
 
辻尾 音楽業界に憧れて就職活動をしたものの、志望企業からはアルバイト採用の提案しかなかったので諦め、大手総合専門小売業の販売員になったのが社会人としてのスタートです。売り上げの記録を持つほど成績が良くて自信もつき、「もう一度夢にかけてみよう」と音楽業界に転職しました。
 
矢部 おぉ、回り道をして夢へと近付いたわけですね。
 
辻尾 でも、うまくいきませんでした。大手総合専門小売業の仕事で天狗になっていたのでしょう、他業種だから知らないことだらけなのに、「教えてください」と周りの人に聞けなかったんです。それからは負の連鎖で精神的にも参ってしまい・・・。どん底まで落ち込みました。
 
矢部 挫折を経験し、本当にお辛かったと思います。そこから立ち直るきっかけが、介護との出会いだったのでしょうか?
 
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辻尾 そうなんです。その後も何社か勤める中で出会った職場の方が、介護業界で仕事を始め、「仕事を手伝ってほしい」と誘ってくれましてね。尊敬していた方だったので、思い切って挑戦することにしたんです。介護現場や事務作業などあらゆる職務を経験させてもらい、フランチャイズの立ち上げにも参加しました。
 
矢部 水を得た魚のように、新しいお仕事をこなされていったんですね。
 
辻尾 はい。そのフランチャイズ立ち上げの際、スタッフへの指導などを行っているうち、「自分でもできるのでは」と気付いたんです。別の経営者の方からも「あんた、いつやるの?」と背中を押していただいたことで決心し、独立しました。人とのご縁に導かれ、ここまで来た気がしています。
 
矢部 運はあっても掴めない人が多い中、辻尾社長は勇気を持って踏み出されたんですね。出会いに助けられながら、最後はやはりご自身で道を切り拓かれたんだと思いますよ。