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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

カジノマシン・農業ロボットで就労支援 外出困難者も活躍できる
桜Laboあらかわ/合同会社LTF 管理者/代表 固本悠佑

 
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インタビュアー 春香クリスティーン(タレント)
春香クリスティーン(以下、クリス) 東京都荒川区の就労継続支援B型事業所、桜Labo(ラボ)あらかわにお邪魔しています。こちらは2024年9月にオープンした新しい施設で、従来の福祉作業所に見られない、ユニークな取り組みを行っているそうですね。
 
固本 はい。私たちは障がいのある方が工賃を受け取れる生産活動として、農業用ロボットの遠隔操作による野菜の栽培や、アミューズメント施設向けスロットマシンの不具合検査など、特徴のある就労機会を提供しています。農業用ロボットはアメリカ企業がつくったものをベースに、私が代表を務める合同会社LTF(エルティーエフ)のエンジニアが将来の社会実装に向け、急ピッチで開発、改良を進めているんです。
 
クリス 室内にゲーム機やPCが並んでいて、入ってきた瞬間から驚かされました。なぜこのような生産活動を始められたのですか?
 
固本 この場所はもともと、海外カジノの機械メーカーの事務所だったんです。私もその会社で経営企画を担当していました。しかし、コロナ禍の間にカジノ産業が一時的に停滞したことから、新規事業として着目したのが障害福祉サービスだったんです。そして、兵庫県姫路市の行政が地元で取り組むスマート市民農園事業に参画し、障がいのある方たちに農業体験を提供していく中で、次なる活動として就労継続支援にも事業を広げることにしました。
 
クリス なるほど、だから福祉とゲームやロボットが結び付いたんですね! 農園が兵庫県にあると聞いてまたびっくりしています(笑)。遠隔操作でどのくらいの作業ができるのか気になりますよ。
 
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固本 桜Laboでは主に精神障害のある方の社会復帰を支援していますが、私たちの農業用ロボットを使ったシステムならば、身体障害のある方や、入院していて通所が難しい重度障害の方でも、遠方からリモートで作業に携わることが可能です。今は本格稼働に向けたデータ収集の段階で、公募で全国から集まっていただいた13人の方たちに、種まきと水やり、雑草の除去、土壌環境のモニタリングなどをお願いしています。実際に動かしてみますので、こちらのモニターをご覧ください。