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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

スポーツ事業を通じて
さまざまな喜びを提供

 

“かっこいい大人”を目指して独立

 
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水野 プレッシャーのある中で見事目標を達成できたからこそ、燃え尽きてしまったんでしょうね。その後はどうなさったんですか?
 
阿部 高校時代までスポーツに打ち込んできましたが、もともと、プロのアスリートとして生計を立てていくのは難しいだろうと感じていたんです。それもあって、卓球の実績を使って大学に進学することはせず、普通の学生として遊びに明け暮れていました。そうやって競技と距離を置いたことで、遊び感覚でスポーツを楽しむ余裕ができたんです。だから、そのときの時間の使い方は無駄ではなかったと今でも思いますし、とても楽しい思い出です。一方で、自分はスポーツに本気で取り組むことを通して自身を成長させてきたのだということにも気付きました。
 
水野 競技から離れたからこそ自分を客観視でき、スポーツが自分に与えてくれたものに気付けたと。
 
阿部 ええ。それで大好きなスポーツで、高校時代のように成長を感じられる場で仕事をしたいと思い、子どもたちの指導をするスポーツクラブに入社したんです。実はその会社は大学生の頃からアルバイトをしていて、当時の社長からお声がけいただいたことをきっかけに正社員になったんですよ。希望していた仕事でしたし、将来的に独立する前提で入社しましたから、恥ずかしながら、自分は勝ち組だと思っていましたね。あの頃は記憶が飛ぶほど夢中になって働きました。でもその一方で、次第にスポーツ業界で稼ぐ難しさも感じるようになったんです。
 
水野 具体的にどのような難しさがあったのか教えていただけますか?
 
阿部 スポーツクラブで3年間、週1日の休みでがむしゃらに働いた結果、責任者を任されるまでになりました。ただ、自分が期待したほどには収入が上がらなかったんです。好きなことをやっていても、それに見合う対価がないと継続は難しいと感じました。独立する選択肢も勧められましたが、25歳の時点では集客力や経営に対する知識に不安があり独立してやっていける自信もなかったんです。
 
水野 現職ではなかなか収入が上がらず、独立するタイミングでもないと判断されたわけですね。いわば八方塞がりといった状況をどのように打開されたのかが気になります。
 
阿部 いろいろなご縁があって営業職を経験し、30歳を過ぎた頃に独立することにしました。
 
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水野 スポーツクラブで子どもを教える仕事から営業職とは、ずいぶん思い切った方向転換でしたね。でも、その経験があったからこそ独立を果たせたんでしょうね。
 
阿部 そうですね。あとは、これまでにたくさんの方々とのご縁があったからこそ、独立できたと思います。私はこれまでに“かっこいい大人”からいろいろな影響を受けてきました。学生時代の先生方、スポーツクラブの社長。そして、これまでにお会いしてきた、たくさんの“かっこいい経営者”の方々。皆さんからいろいろなことを教えていただいたおかげで今があるので、感謝しかありません。そして独立した今は、自分が“かっこいい大人”になって、たくさんの方にきっかけを与えられる人間になりたいと、日々業務に励んでいるところです。