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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

人にも馬にも配慮した
こだわりの乗馬クラブ

 

適切な調教で引退競走馬に再び活躍の場を

 
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 乗馬クラブの馬は、乗馬用に育てられた馬なんですか?
 
齋藤 いえ、そのような馬もいますが、ほとんどの馬は引退した競走馬なんです。
 
 そうなんですか! では、競走馬を乗用馬に調教すると。
 
齋藤 はい。それぞれの馬の能力や性格を見極め、一頭一頭に合った方法で調教しなくてはなりません。馬にストレスを感じさせない環境、かつ正確な調教により、当クラブの馬たちは、引退競走馬の大会や全日本馬術大会では何度も優勝しているんですよ。乗用馬において大切なことは、人間に愛される馬になることと、人間に危害を加えないように適度な距離感を保てること。この2つをしっかりと馬たちに教えています。
 
 こちらで調教を受けた馬が大会で優れた成績を数多く残していることからも、人と馬が良い関係を築けるように心を砕いておられることがよくわかります。素晴らしいですね。今後、新しく挑戦したいことがあれば教えてください。
 
齋藤 今ちょうど新しい取り組みとして始めているのは、海外の馬の凍結精液を使った人工授精事業です。
 
 馬の人工授精ですか!? 誰もがすぐにできるというものではないですよね。
 
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齋藤 おっしゃる通りです。妻の由香が馬人工授精師の資格を取得して、事業に取り組んでいます。海外の優秀な競技馬の血を引く馬を仔馬のときから育てることで、より調教しやすく能力が優れた扱いやすい馬に育てていきたいですね。引退競走馬だけでなく、そうやって少しずつ自分のところで馬を生産・調教することにもチャレンジしていきたいと考えています。2025年の春には、人工授精による競技用ポニーが2頭誕生する予定なんですよ。ポニーは皆さんご存じのように体高147cm以下の小柄な馬ですから、お子さんや小柄な女性の方にも安心して乗っていただけます。競技用ポニーの良さをもっと広めることで、日本初の本格的なポニー競技ができるようになる日を夢見ています。
 
 お話をうかがっていて、私が持っている馬も、競走馬を引退したらセカンドキャリアとして乗用馬の道へ、というのもいいなあと感じました。齋藤取締役のお仕事の根幹には、馬への深い愛情と思いやりがあるのですね。齋藤取締役のお力で、たくさんの方々に馬、そして乗馬の魅力を伝えていってください。本日は貴重なお話をありがとうございました!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
大変なことも多い中で、例えば調教中の馬が昨日できなかったことが今日できるようになったとか、覚えてくれたとか、そういう瞬間が楽しいです。もちろん、自分自身も、この年になっても成長を実感する瞬間があると楽しいですし嬉しいですよね。
(齋藤裕己)
 
 :: 会社概要 :: 
  ■ 社名 有限会社ウィルスタッド/WILL STUD
■ 本社 〒355-0076 埼玉県東松山市下唐子1393-7
■ 事業内容 乗馬クラブの運営
■ 設立 1993年6月
■ 従業員数 5名
■ ホームページ https://www.willstud.com
■ ブログ https://www.instagram.com/will_stud_saitama
※営業目的のお電話は固くお断りいたします。