B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

全盲だからこそ気付く 地域に貢献する鍼灸院
株式会社愛康堂/あん摩・はり・きゅう 空鍼癒院 代表 冨田晋作

※営業目的のお電話は固くお断りいたします。
 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 濱中治(野球解説者)
濱中 京都市下京区で空鍼癒院を経営する株式会社愛康堂さん。四条駅・五条駅の両方から徒歩5分と立地も便利ですね。あん摩、はり、きゅう、オイルマッサージと多彩な技術でお客様を施術する冨田代表のご経歴を教えてください。
 
冨田 私はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格を取り、25歳で京都府立盲学校の教員になりました。27歳の時に生まれつきの眼疾患により全盲になってからも、後進の育成に全力を注いできました。21年にわたって指導を続け「やり切った」と感じた2020年に退職し、当院を開業した次第です。
 
濱中 最近は、視覚に障がいがある方の鍼灸師さんが減っているように感じます。でも、やはり目が見えないことがハンデにならず、むしろ施術でプラスになるものなのでしょうね。
 
glay-s1top.jpg
冨田 そもそも目が見えたとしてもわかるのはお客様の表面的な状態だけ。筋肉の硬さや内部が見えるわけではありませんよね。私はお客様に触れると気の流れを感じるからか自然と悪いところへ手が導かれます。それは、長年にわたり積み上げた技術や経験と研ぎ澄ました感覚によるもの。目が見えないからこそ迷うことなく施術できているんです。
 
濱中 すごいです。これまで多くの経験を積んできた冨田代表だからこそ、成せる技ですね。お客さんと接する際に心がけていることをお聞かせください。
 
冨田 病気は人が生きてきた歴史がそのまま表れるもの。ですから、私はお客様がお見えになった瞬間から、その方がまとっている空気感を読み取って、どのような悩みを抱えて来院なさったのかを感じていきます。それから心の通った対話を通して症状を把握し、施術に入ります。