自然に囲まれた緑豊かな丹波篠山市にひっそりと佇むピザ専門店、Kuwa Monpe(クワモンペ)。そんな同店を運営する株式会社T.E.D(ティーイーディー)の代表取締役であり、店を切り盛りする榎本陵社長は、創業当時の祖父の味を引き継ぎ、伝統を守ることを何よりも大切にしているという。「一人ひとりのお客様のために、ピザ1枚に妥協することはありません」と語る榎本社長に、これまでの歩みや展望などをうかがった。
祖父が創業した店を受け継いで4年
榎本 いえ。飲食業界とはかけ離れた建設業に携わっていたんです。父が建設会社を営んでいたので、私も自然な流れでそこへ就職して主に重機オペレーターの仕事をしていました。自分では天職だと思っていたんですよ。
濱中 飲食業とは畑違いのお仕事をされていたんですね。その後、何があったのか気になります。
榎本 通勤途中にバイクで事故に遭ってしまったんです。回復後も眼鏡をかけないと二重に見えてしまったり、視野が狭くなったりしてしまって。これまでしていた仕事ができなくなり、どうしようかと考える中で療養をかねて故郷の丹波篠山市に戻りましてね。そこで、Kuwa Monpeを創業した祖父から「お店を継がないか?」と誘われたんです。そして2020年に4代目に就任しました。
濱中 お祖父様のお誘いがあって飲食業界の道に入られたと。Kuwa Monpeさんが創業されたのはいつ頃なのでしょう。
榎本 2010年に祖父が創業しました。祖父が築き上げてきたものを引き継ぐことに就任当初は不安もありましたが、日々勉強しながら取り組んできたんです。祖父は料理人を引退しましたが今でも料理のアドバイスをもらっています。
濱中 榎本社長にとって、お祖父様の存在は大変心強いでしょうね。
榎本 もちろんです。今はこの大自然の中で、料理を楽しめる非日常な店舗づくりに力を入れています。