人手が必要な現場も一人で挑み、信頼を得る
川田 もともと私は料理人だったんですよ。しかし、結婚して子どもに恵まれると、夜間の勤務が長い飲食店の仕事がつらくなりましてね。昼間のうちに働いて、夜は早く帰宅できる生活にシフトしたくなったんです。そこで、10代の頃にアルバイトをしたことがある荷揚げの経験を生かして転身しました。ただ、いろいろな問題があったんです。
濱中 どのような課題に直面したのでしょう。詳しく知りたいですね。
川田 まず、京都から大阪へ行き京都に戻り、また大阪に行って次は彦根というように、現場をたらい回しにされる毎日が当たり前だったんです。それでいて、給料が安く限界に達した私は別の会社に転職しました。それでも待遇は変わらなかったんです。むしろ、ストレスが溜まる一方だったんですよ。
濱中 荷揚げはとてつもない重労働ですから、もっと働きやすい環境がほしいですよね。
川田 そうですね。やがて、自分の力で頑張ろうと決意した私は2019年に個人事業主として独立したんです。通常なら4人の人手が必要な現場も一人で挑み、信頼を高めていきました。おかげさまでみるみるうちに仕事が増え、半年後には知人や協力会社の職人にも応援を頼むようになりましてね。人のつながりで、スーパーゼネコンさんの現場など大きな仕事も手がけるようになりました。