戸建住宅やアパートの塗装で躍進する28歳の若武者。それが静岡県浜松市・大武塗装の鈴木知也代表だ。住まいの塗装は10年後、15年後に結果がわかる。そのときに同業者に笑われたりお客様を失望させたりしたくない。その一心で技術とコミュニケーション力を磨き続けてきた鈴木代表は、左官も自社で手がけるなど仕事の幅を広げている。すべては住まいをきれいにして「頼んでよかった」と喜んでもらうためだ。
建築塗装の職人として2021年に独立
鈴木 高校を中退した私は、知り合いだった塗装職人の親方に「働かせてください」と直談判しました。そのときは、お金を稼いでオートバイを買いたかったんです(笑)。そうして職人の道を歩み始め、親方の下で3年半ほど修業しました。当時の教えは今も私の中に生きています。やがて別の会社でさらに1年半の経験を積み、ここで一度、塗装を離れ鳶職人になりました。
鶴久 積み上げたキャリアをリセットしたわけですか。なぜなのでしょう。
鈴木 19歳で結婚し子どもにも恵まれましてね。ただ、塗装職人の給料は安く、家族につらい思いをさせていたんです。そこで、もっと稼ぐため鳶職に転身し、足場工事の仕事に5年間従事しました。ただ私は、この世界に飛び込んだときから独立を目指していて、起業するなら大好きな塗装の仕事と決めていたんです。それで家族のためにと一念発起し、2021年に大武塗装を創業しました。この屋号は、二人の息子の名前の頭文字を組み合わせたものなんです。現在は昔からの仲間二人と力を合わせて、主に戸建住宅やアパートの塗装を手がけています。