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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

鮮魚の買い付けに革命を 
世界に日本の魚を届ける

 

“魚図鑑アプリ”で日本の食文化を発信

 
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鶴久 人との付き合いを大切にする。確かに、どの業界でも人とのコミュニケーションは大事だと思います。でも、この場合、具体的にはどのように業務に関わってくるのでしょう?
 
諏訪 近年はインターネットの発展によって、ECサイトで鮮魚を販売する店舗も増えました。しかし、仕入れを効率化するシステムのみに頼り切ってしまうと、例えば商品が品切れになった時、ほかの仲買人や同業者との横のつながりがなければ、その日はもう調達することができません。ECサイトで魚を販売している会社の中には、品切れを防ぐため、1日魚を留め置いています。しかし、そうすると鮮度も落ちますし、中にはどうしてもその日のうちに「この魚が欲しい」というお客様もいらっしゃいます。そこで私は、そのお客様が求める魚を、人の伝手を辿って徹底的に探し出すわけです。どんなに自動化やハイテク化を進めても、最終的には人付き合いがものを言う世界なんですよ。
 
鶴久 なるほど! やっぱり、この業界はどんなに技術が発達しても、人情や助け合いの精神が欠かせないわけですね。
 
諏訪 おっしゃるとおりですね。私はお客様に「今日の魚はとても新鮮でおいしかったよ」と褒めていただけると嬉しくて、その言葉を必ず仕入先の方にもお伝えしているんですよ。すると喜んでいただけて、同じ値段でもっと良い魚を提供してくれたり、同じ魚でも安く提供してくれたりするメリットも生まれるんです(笑)。
 
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鶴久 昔ながらの人情を大事にしながら、最新のシステムを導入して仕事をスムーズに進めていくわけですか。素晴らしい取り組みだと思いますよ! そういえば、先ほどGuntzさんのインスタグラムを拝見させていただきました。魚の情報やおすすめの調理方法など、とても細かく紹介していますよね。かなりの情熱を注いでいらっしゃるように見えますよ。
 
諏訪 そうなんです。インスタグラムの記事は、飲食店さんからご協力をいただいて掲載しています。いずれはこの投稿をもとにした“魚図鑑アプリ”をつくるのが私の目標の一つでもあるんですよ。それによって、魚の種類や保存方法、料理の仕方などを詳細にまとめ、海外に向けて日本の食文化を発信したいと考えています。さらには、そのアプリの画面から直接、魚の注文ができるシステムも構築する予定でいます。