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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

選手の力を最大限に出す
メンタルトレーニング

 

GSR2と現場第一主義で選手をサポート

 
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吉村 多くのスポーツ選手を幅広く指導された実績をお持ちだと。どんなトレーニングをするんですか?
 
鋒山 まずは緊張感をコントロールできるよう、リラックスする方法を覚えてもらいます。これができないと、次のステップに進めません。
 
吉村 私は現役の頃、リラックスして試合に臨んでいると思いながら、実は緊張していたことがありました。特に不調に陥っていると結果を出そうと焦るので、やみくもに練習して体を壊してしまうことも多い。うまくリラックスする方法はあるんでしょうか。
 
鋒山 当社では、「GSR2バイオフィードバック」という器具を使っています。この器具は心身の状態を音で知らせてくれるんです。人はプレッシャーを感じると交感神経が作用し発汗する。その汗に反応して器具が音を出すんです。
 
吉村 リラックスしているかどうかを客観的に認識できるとは、すごいですね!
 
鋒山 少しでも緊張状態に陥ると高い音が鳴り始めます。いっぽう、副交感神経が優位になってリラックスをし始めると音が低くなり、消えていく。選手の精神が動揺しているか、安定しているかがすぐにわかるのでメンタルトレーニングに適しているのです。
 
吉村 GSR2を使えば、誰でもリラックスする方法を学べるんですね。
 
鋒山 ええ。リラックスできるようになったら、選手に自分の目標を決めさせて、それを潜在意識に入れてもらいます。
 
吉村 確かに、明確な目標って大切ですよね。
 
鋒山 そして、やるからには高い目標であるべき。以前、千葉県の我孫子高校の野球部からトレーニングの依頼がありました。顧問の先生が「県内ベスト8を狙いたい」と言うんです。でも私は「優勝じゃないと駄目ですよ」と言った。すると、みんなが目標に向かって本気で、一所懸命やってくれたんです。結果どんどん力がついて、ついには県内の強豪校を倒して甲子園出場を勝ち取りました。後に「千葉県の奇跡」と語り草になったそうです。
 
吉村 それは選手だけでなく、指導者も優勝を信じて本気で取り組んだということですよね。
 
鋒山 おっしゃる通りです。そして、その次に取り組むのがイメージトレーニングです。イメージは現実と同じように見えるのが望ましいので、そのイメージ力をつける練習から始めます。イメージがうまくなると、特に技術力の安定・向上に大きな効果がある。ただ、日本人は全般的にイメージが下手です。例えばアスリートの場合、どうしても先に頭で考えてしまい、プレーが一瞬遅くなってしまう。それを克服するためにも、イメージ力をアップするのは重要な練習なんです。これができるようになると、ケガの回復やスランプからの脱出も早くなります。
 
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吉村 日本人の弱点はそこなのか・・・。鋒山社長はそれを克服するお手伝いをしてくれるわけですね。
 
鋒山 はい。さらに極限まで集中力が高まった状態を「メンタルアローザル」と呼びます。脳内にベータエンドルフィンと呼ばれる脳内麻薬が分泌されるこの状態になると、興奮状態に入り周囲の動きがスローに見えるなどの感覚が起こる。この境地まで集中力がアップすると、体が自然に動き、ポテンシャルを最大限に発揮できます。疲労や痛みも感じにくくなくなり、多幸感すら得られる。元水泳選手の北島康介氏の「チョー気持ちいい」という有名なセリフは、競技中にそうした状態に入っていたのだと考えられますね。個人で手法は異なるものの、観客など周囲の状況も自分の味方につけながら集中力を高められる選手もいる。ドーピングなどをしなくとも、自分のメンタルの力でこの状態になれるのが選手としての理想です。