プロフィール 東京都出身。大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレで様々なアートプロジェクトや運営、商品開発、観光事業のマネジメントに従事。瀬戸内国際芸術祭、いちはらアート×ミックスにも携わる。2013年、家業の酒販店を母体とした会社の後継者として入社し、アート・デザイン関連の事業を新設。2015年、gallery to plusを開設。農水省6次産業化プランナー、茨城県北芸術祭ゼネラルマネージャー。【ホームページ】
1915年創業の酒販店の後継者が始めたのは、地域商品のパッケージデザイン、ギャラリー経営、そして国際芸術祭のマネジメントだった。社会に流通する商品を販売し、暮らしを支える小売業。そこに一見遠いかに見えるアートやデザインを広い意味でのクリエイティブな行為として捉え邁進しているのが、株式会社桑原商店 to+後継者の桑原康介代表だ。時代の流れを見極め、新事業へ踏み出した桑原代表に詳しく話をうかがった。
歴史ある酒販店に異分野の新規事業をプラス
宮地 桑原商店トゥプラスさんは創業100年になる家業の酒屋さんを母体とする会社で、アート関連事業のマネジメントや商品デザインの企画などの業務にも進出なさったとお聞きしました。まずは事業内容を詳しく教えていただけますか?
桑原 1つ目がデザインに関するマネジメントです。デザインを構成できるデザイナーと、デザインやブランディングなどでお困りごとを抱えている経営者の方々をつなぎ、仲介者として両者の力が最大限発揮できる環境を整えます。
両者の長所を引き出すことで、クオリティの高い商品づくり、良質なブランディングにつながるんです。例えば、6次産業化のプランナーとして、生産者や中小企業の経営者の方からご依頼いただければ、パッケージデザインのみならず、販路開拓の相談まで、全国各地、どこへでも飛んで行きお話しをうかがいます。
宮地 全国ですか! 桑原さんの行動力がうかがえます。
桑原 ありがとうございます。2つ目が、柔軟にものごとを生み出し、作品を発信していくアートギャラリーの運営です。様々な表現活動をアーティストと一緒に展開することで、そこで培われる新しいネットワークを未来へのプロジェクトにもつなげていきたいと考えています。毎月の企画展では、アーティストと一緒に作業をすることで、作品に対する新しい発見があり楽しみですね。
3つ目が、前職でも携わってきた各地の国際芸術祭への関わりです。現在は2016年秋に開催の「KENPOKU ART 2016茨城県北芸術祭」のマネージャーを務めています。メディアやバイオテクノロジーをアート表現に用いる、新しい国際芸術祭なんです。