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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

健康になれる噛み合わせを
実現させる LBO



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大門
 最初から最適な調整ができるのは、正しい噛み合わせの基準を明確に持っている証拠ですね。

柿内 その通りです。LBO咬合では、第一小臼歯から第二大臼歯までの下顎頬側咬頭と上顎中心窩を咬合させることを基本に、セーフティゾーン(まさにここに当てるべき所)を明確に指示しています。これにより正常歯列の場合、噛む力が歯冠歯根方向に正しく働きます。私もLBOの咬合調整を覚えてからは、数分間の治療で「噛み合わせが快適に、軽くなった」「噛み合わせの音が高い音に変わって、よく噛めるようになった」などの感想を患者さんから聞くようになりました。加えて、LBO咬合ではタブーゾーン(ここだけは当ててはいけない所)も明確ですので、LBOを適用して症状の増悪を訴えた患者は今まで一人もいません。

大門 医師にとって非常に頼もしい選択ですね。それに、音まで変わるとは・・・。固い豆を噛み砕けるようになるのも道理です。 

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冨田 ですから、LBOで調整すると義歯の磨耗が通常より早くなります。力を入れて噛むようになるだけでなく、噛む回数まで自然に増えるのですよ。ご存知のように、よく噛んで食事をすることは内臓の負担を軽くしますから、内科的側面からも皆さんの健康を後押しできます。

柿内 同じことは神経内科的な側面からも言えます。健康な歯は歯髄を通じて筋繊維や神経線維と繋がっており、物を噛むことでそれらが適度に刺激され、全身の健康を賦活しています。ですから、歯が欠損してしまった後も、欠損部の粘膜表面を通じて適当な刺激を与えつづけること――義歯で食事をする際もしっかり噛めるようにすることは絶対に必要です。私や冨田さんが「安定剤は入れるべきではない」「必ずしもインプラントが最良の選択ではない」と言うのは、歯や口腔だけでなく全身の健康を考えて言っているのです。

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大門 恒常性のメリットから、以前に比べインプラントがかなり普及してきましたが、インプラントにも欠点があるのですか。

柿内 インプラントの場合、インプラント体が歯根膜を介さず直接骨に癒着していますので、神経筋機構が正常に働かないことが考えられるのです。身体への侵襲が大きい点も、やはり欠点とせざるを得ないでしょう。実際に、私の患者さんで、入浴するだけで痛みと腫れが出て大変苦しんでおられたインプラント導入の方がおられました。その方は10年以上経過して最終的にLBOによる義歯治療に切り替え、咬合力も含めた口腔内全体のバランス調整を進めることで劇的なQOLの改善を見ました。他にも、LBOの優秀さを示す例は数多くあります。