健康になれる噛み合わせを
実現させる LBO
柿内 私が最初にLBOのセミナーに参加して驚いたのは、自由、かつ充実したその雰囲気でした。一方的な講義スタイルではなく、他の受講生の迷惑にならなければ休憩も自由ですし、皆さんがそれぞれの問題意識を持って集まっているので双方向の議論が展開されます。しかも教えられる技術は診療の現場に持ち帰ってすぐに使える具体的なものばかり。セミナーといいながら、まるで有志の研究会のような雰囲気だったのです。
歯科医院は個人開業の形態が多く、どうしても医師が一人で悩みがちです。その点、LBOのセミナーは技術の勉強だけでなく、臨床に関わる情報交換の場にもなっています。ですから皆、毎月のセミナーに出席するのが楽しみになるのですよ。
患者も治療者も幸せにする
大門 LBOのキャッチコピーには「義歯に入れ歯安定剤を入れずに、固い豆も噛み砕ける!」とあります。かなり強気な表現ですが、本当にそんなことが可能なのですか?
柿内 可能です。私たちの考えでは、パーシャルデンチャー(部分義歯)もフルデンチャー(総義歯)も、本来は安定剤を入れずに使ったほうがいい。安定剤を入れないと使えない義歯は、残念ながら不完全と言わざるを得ないでしょう。
冨田 私に言わせれば、薬局やコンビニなどで様々な安定剤が売られていること自体、技工士や歯科医師の怠慢の表れです。初めて義歯を入れた患者さんが一様に訴える「何かしっくりこないんですが・・・」といったお悩みに「そのうちに慣れますよ」と答えるのはその典型です。本来ならそこで患者の訴えに耳を傾け、少しでも違和感が出ないよう調整してあげるべきでしょう。私はそのような臨床の工夫の積み重ねで、LBOの健康咬合理論を確立してきました。自分で導き出した理論ですから自信を持って勧められます。それで患者さんに喜ばれるのだから、こんな嬉しいことはありません。
柿内 冨田さんのセッティングを見ていると、その場に患者さんがいなくても、渡された義歯を咬合紙と通常の歯科器具だけでどんどん調整していくのです。それで患者さんにお返しすると、例外なく「まるで別物だ。食事もおいしくなった」と喜ばれます。通常、義歯というものは何度も実際に入れていただき、繰り返し具合を聞いて調整を加えて、やっとご納得いただけるものなのですが、LBOを使えば最初から理想形を目指すことができます。