知識と素養を磨いて
日本を発信できる役者へ
一つひとつの役を運命だと思って演じる
僕としては、どの作品の役も一つひとつ愛情を持って演じているので、その愛情が見る人にも伝わればいいな、という思いでいつも演じています。特に僕は、その都度器用に役の出し入れができるほうではないので、「長い人生のうちのたった数ヶ月なんだから、向き合うならしっかりやろう」という気持ちで1つの役に向き合っているんです。そうやって役を形にしていくと、「俺はちゃんとやってるぞ、役に背を向けてないぞ」っていう安心感がある。どんな作品のどんな役に対しても、「これはもう運命なんだ!」と思えるようなエッセンスを掴めれば、自ずと役を愛せるし、愛さざるを得ない状況がつくれると思っています。
それだけに、今よりもっと若い頃はドラマの撮影期間中も舞台の稽古期間中も、スイッチが入りっぱなしで。いざ本番、という時にはすでに精神的にも体力的にもくたくたになっていました(笑)。きっと当時はまだ経験値が足りなかったのに加えて、スイッチを入れっぱなしにするのが作品と向き合っている状態なんだと思って、力み過ぎていたんでしょうね。それからいろんな作品に出演させていただくようになって、少しずつ切り替えができるようになっていきました。今はオン・オフをしっかり切り替えられていることが、集中力の維持につながっているのかなと思います。