各国の人気レストランが多く出店し、日本各地の優れた食材も集まる東京は、まさに美食の宝庫。24時間営業の店も多く、食べたいときに食べたいものを、豊富な選択肢から選ぶことができます。
 
舌の肥えた大人の中には、こうした環境を嬉しいと感じるいっぽうで、マンネリ化してしまい物足りないと感じている人も、少なからずいるのでは？　この夏、そんな食通の好奇心をそそる、最高にエッジの効いたレストランが誕生しました。
 
渋谷のニューカマー・レストラン「OUT（アウト）」は、潔すぎるコンセプトで話題を集めています。「One dish. One wine. One artist.（1つの料理、1つのワイン、1つの音楽）」――つまり、レストランを構成する大切な3つの要素を、それぞれこだわり抜いた1種に絞り、提供するというもの。各要素を究極まで磨き上げ、調和させ、キュレーションしただけあり、今までにないユニークな美食体験を楽しむことができるのです。

「OUT」にはメニューリストはありません。あるのは、スタイリッシュな券売機。料理とワインの好みの量や組み合わせを選んでチケットを買ったら、あとは席に着くだけです。 気になる料理は、こだわりの粋を集めた自家製のフレッシュパスタ。食材は、イタリア産のオーガニック小麦粉や山梨県の農家から直送される卵と、厳選したもののみを使用しています。そこに、ニュージーランド産のバター、オーストラリア産のオリーブオイル、パルメジャンチーズを絡め、さらにシーズンベストの産地から取り寄せた新鮮なトリュフをたっぷり5gもトッピング！　香り高い贅沢な逸品を味わうひと時は、それだけで極上の美食体験と言えるでしょう。
 
さらに、ワインももちろん、その時々のトリュフの風味を引き立てる、ベストな1銘柄のみを厳選して提供します。トリュフとパスタと赤ワイン――この官能的なペアリングをより刺激的に演出するBGMは、ロック史に名を残すイギリスのバンド、レッド・ツェッペリンのレコードによるアナログサウンドのみ。「OUT」は、研ぎ澄まされたこの3つの要素が三位一体となることで、五感を揺さぶる斬新な世界観を生み出しているのです。
 

このコンセプチュアルレストランのオーナーは、世界で活躍する3人のオーストラリア人。メルボルンで人気レストランを経営するデビッド・マッキントッシュ、世界的ゲーム開発会社タンタラスのCEOの他、起業家・作家の顔も持つトム・クレイゴ、トムの妹であり、ミシュラン星付きシェフと共にレストランをオープンした経験もあるフードコンサルタントのセーラ・クレイゴです。
 
「OUT」を実際に切り盛りするのは、イタリアで食文化とコミュニケーションについて修学したセーラ。彼女は、1種の料理にフォーカスした「OUT」を日本の東京でオープンした理由として、東京の人々が本物のものづくりの魂でつくられる完璧な食事体験を求めていること、また、鮨や天ぷらなど、専門店で食事をすることの多い日本ではコンセプトが理解される土壌があることを挙げています。