◆家電業界に新風を吹き込んだ
“自然の風” を起こす扇風機!?
2011年に起きた東日本大震災以降、電力不足の影響から夏場の扇風機使用が改めて見直されています。扇風機といえば、エアコンより消費電力が少なく、手頃な価格のものが多いのが特長ですが、近年、より高性能な扇風機が続々と登場。中でも、2010年4月に3万円台という高価格でありながら、発売するやいなや人気を集めたのが、「BALMUDA(バルミューダ)」 が手がける 「GreenFan」 です。
その2013年モデルの 「GreenFan2+」 は、デザインのスタイリッシュさはもとより、なんと最小消費電力は2Wと従来の約15分の1! さらに音は驚く程静かで、今までにない “自然の風” を再現するという革命的な扇風機なのです。製品を目にすると、そのデザイン性の高さに 「流行のインテリア家電」 と捉える人もいるかもしれません。しかし、その機能性を体感すれば、技術革新の賜物であることを実感することでしょう。今回は、今夏も注目必至の 「GreenFan2+」、そして家電業界の異端児とも言うべき 「バルミューダ」 のものづくりの姿勢に注目します。
◆内外2種類の羽根により
肌をそよぐ優しい風を実現
従来の扇風機は、渦を巻いた固い風で狭い範囲に集中し、疲れを感じる人も多かったはず。いっぽうで、私たちが 「心地いい」 と感じる自然界の風は、空気が大きな面で移動するものです。「バルミューダ」 の「GreenFan2+」 は、この面で移動する風、つまり “自然界の風” を再現することに成功した、史上初の扇風機なのです。
「GreenFan2+」 には、二重構造の羽根が内側5枚、外側9枚の合計14枚。内外にそれぞれ速度の異なる風を生み、ぶつかりあうことで風が拡散、肌をなでるそよ風に生まれ変わります。これぞ、「バルミューダ」 の特許技術 「グリーンファンテクノロジー」 です。モーターは超低速回転が可能な新開発のDCブラシレスデジタルモーターを採用し、わずか2Wの消費電力を実現しました。また、そのモーターにより、最弱運転時の動作音は13デシベルに。これは人にはほとんど聞こえない “蝶2羽がはばたく音” と同じ大きさだとか。
一日中つけていても気にならず、心地よい。さらに省エネルギーという革命的な扇風機 「GreenFan2+」 は、どのようにして開発されたのでしょうか。