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創業300年近い老舗の扇子屋。
店内にはさまざまな扇子が並ぶ。

◆京で生まれた扇子の歩み

夏の暑さに軽やかな風を送るだけでなく、その末広がりの形状から縁起物としても扱われてきた扇子。紙が貴重だった平安時代、木の板を重ねて記録用紙代わりに使ったことから生まれた京都発祥の文化です。当時は貴族の服飾品であったり、僧侶の儀式で使ったりするものでしたが、江戸時代には扇子づくりが「京の三職」に数えられるほど庶民の暮らしに浸透したそうです。また、能楽や狂言、茶道などにおいても欠かせない道具となりました。近代には海外市場へも進出。ヨーロッパでは布をはった扇子が登場し、涼を運ぶためというよりも帽子やパラソルとともにファッションの一部として貴婦人を惹きつけたようです。
そんな京都発祥の文化である扇子ですが、現代の日常生活で見かける機会は減少。文明の発展、生活スタイルの変化…さまざまな理由があげられますが、やはり、和服や伝統文化の世界で使用される道具という印象が少なからず根付いているのかもしれません。しかし、時代に合わせて扇子もさまざまに変化しています。伝統の美しさに現代の遊び心をプラス。そして、周囲の人も心地よく思えるような扇子らしい品のある和のデザインを。それが創業より扇子ひと筋290余年の時を歩む「山二」が目指す扇子です。
 
 
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コンパクトな収納性が持ち味の「ポケット扇子」

◆ビジネスもプライベートもスマートに

たとえば「ポケット扇子」。一見ごく普通の扇子ですが、ビジネスマンにとってうれしい仕掛けがあります。それは21センチの扇子が14センチサイズに縮むという収納性。スーツの内ポケットにもすっきり収まる手のひらサイズの扇子です。骨が伸縮するこの仕掛けは、職人による巧みな手技のたまもの。縮むときの収まりが良いように、通常よりも竹の柄が丸みを帯びています。絵柄もシンプルで上品な和柄。収まる際にシュッと鳴る竹と紙の擦れあう音も何やら涼しげ。ビジネスシーンでの会話のネタにもなりそうな「山二」だけのオリジナル商品です。
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扇面の四角がポイントの「キュービック」

 
また、プライベートでも扇子を常備すれば、センスの良さをアピールできる道具になります。山二が立ち上げるブランドのひとつ「ふう、う」は遊び心を取り入れたスタイリッシュなデザインで、和服姿でなくとも違和感なく使える扇子が揃っています。たとえば黒がベースの扇面に2本だけカラーを施したり、さりげなくアーガイルチェックの模様を取り入れたり…。年齢・性別問わずに使えるのでプレゼントにも最適です。このように、日常のあらゆるシーンで活用できる扇子。何気ないひと工夫が、扇子を昔なつかしい道具ではなく、現代の生活でも重宝するアイテムへと導いているのです。
 
 
  山二
  京都市下京区烏丸通五条南
 
8月は リスン 京都 をPick Up
 
 

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