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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

伝統建築を継承する匠
300年住宅で社会貢献

 

木材購入からこだわる300年住宅

 
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畑山 では、先代から引き継いできた伝統工法について、ぜひ詳しく教えてください。
 
安藤 先代が追求してきた「木造軸組工法」は、主に社寺仏閣で用いられている技術であり、在来工法の中で最も長持ちするものです。法隆寺や犬山城、東大寺の大仏殿などが代表的な建物でして、300年以上持つと言われている伝統建築構法です。工程として、まずはバイヤーを通さずに直接目利きした木材の購入から始めます。
 
畑山 一般的な戸建て建築だと50年持てば十分という固定観念があったので、300年とは驚きです! また、よくあるカット済の木材を購入するのでなく、自社で選別しているんですね。
 
安藤 ええ、家の骨組みとなる木材にこだわるからこそ、技術との相乗効果で長持ちするんです。水回りの床は、湿気やシロアリに強いヒバを使い、柱、梁は岐阜県産を使い、風土に合った木材で、耐久性を第一考えます。和室の天井板は断熱・調湿効果がある杉の無垢材を使用する、といった具合です。
 
glay-s1top.jpg 木材にこだわり、長持ちする住まいを実現
木材にこだわり、長持ちする住まいを実現
畑山 まったく知りませんでした。目から鱗が落ちるお話ばかりですよ! 木材購入に中間業者がいないとなると、お安く買えるのでしょうか。
 
安藤 ええ。20~30%くらいは安くなりますので、お客様の建築費に還元しています。
 
畑山 地域の個人業者では不安だからと、名が知れている大手ハウスメーカーに建築を依頼する人は多いと思います。しかし、安藤社長のお話を聞いていると意識が変わりますね。
 
安藤 そもそも天然木の家は高価と勘違いされている点も困っているんです・・・。
 
畑山 ハウスメーカーの年間広告費や住宅展示場にかかっている凄まじい金額は、施主さんが負担しているんですよね。大恵さんのような会社では、そういった経費負担が軽減されて設主さんは値打ちになるわけだ。そのほかのメリットやこだわりも知りたいです。
 
安藤 根太(ねだ)有り釘無し工法です。これは床などをつくる際に使う工法です。根太という受け材を組むことで剥離やたわみを防ぐ効果があり、後々修繕しやすいんです。一般的な新築の床は、大引き三尺間に剛床(ベニヤ)を敷くため、真ん中が垂れるので、ベニヤが剥離します。化粧材はシートを貼っているだけです。一見木のようですが子供やペットの犬猫でも剥がせるので、時間経過とともに無垢材、根太有り工法との差が明白になっていきます。