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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

運動やスポーツを通じて
子どもの成長をサポート

 

多様な業種を経験した先にたどり着いた使命

 
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緒方 城戸社長はもともと福祉の業界に携わって長いのでしょうか?
 
城戸 実は違いまして、私は教育事業を行う企業に就職し、子ども英会話教室の生徒募集をする営業職として15年ほど勤めました。その後、IT系のベンチャー企業に転職し3年ほど勤務した後、大手洋菓子メーカーへ転職して企画営業の仕事をしていたんです。しかし、直接お客様と接する仕事のほうが向いていると感じ、カスタマーサポートの部署を一から立ち上げ、お客様相談室の室長として15年ほど勤務しました。
 
緒方 ご自身で新しいサービスの部署の立ち上げとはすごいです! 非常に重要なポジションを任され、順風満帆に見えますが、どのようにして児童福祉に興味を持ったのでしょう。
 
城戸 息子と娘が通っていた小学校の学童野球チームの監督を任されたことがきっかけです。そのチームに発達障がいの子どもがいて、その子は野球のルールをなかなか覚えることができなかったものの、野球が大好きで雨が降っても休みの日でも、必ずグランドに来て黙々とバットの素振りをする子でした。その子が小学6年生になり、小学生最後の試合である公式戦で活躍する姿を見て、私は感動して泣いてしまったんです。
 
子どもたちが思い切り体を動かせる広々とした空間 glay-s1top.jpg
子どもたちが思い切り体を動かせる広々とした空間
緒方 素敵なエピソードです。私も中高生への野球指導やコーチを経験する中で、子どもたちの努力と大きな成長には驚かされてきました。それでも、発達障がいの子がそこまで基礎練習に積極的でルールも覚えて、活躍までする話は聞いたことがなかったです! プロ野球でも一流を極めて成果を出せるのは、基本の練習を何時間も黙々とできる人たちなんですよ。その子にも、そのような素質があったのかもしれませんね。城戸社長はその子と出会って、児童福祉の仕事をしようと思われたのですか。
 
城戸 そうなんです。その子に練習のない日は何をしているのか聞いたことがあって、放課後等デイサービスに通っていると教えてもらったんですよ。当時はまったく知らなかったので調べたところ、東京都の認可事業で発達障がいのある子どもを放課後に預かり、療育する施設とわかりました。「どんな子でも好きな運動で変われるんだ」「私たち大人が先入観で判断してはダメなんだ」と。そのときに、運動を通じて子どもたちの療育に取り組むことが、私の残りの人生ですべきことだと使命感を抱いたんです。そこで前職である洋菓子メーカーを退職し、弊社を設立しました。
 
緒方 一人の少年との出会いをきっかけに、それまで経験してきた仕事とは異なる事業を始めたとは驚きです! 城戸社長にとって人生観を揺るがす大きな体験だったのですね。