下水道工事から事業転換を図る
菅野 私は弊社の2代目で、先代の父は会長を務めています。もともと弊社は下水道工事をしていたのですが、下水の普及率が高まったため仕事が減少するのが予測できていました。それで父から「会社を継ぐつもりなのはありがたいが、いずれはなくなる仕事だぞ」と言われていたんです。
矢部 社会状況の移り変わりで、会社の先行きに暗雲が立ち込めていたわけですね。
菅野 ええ、ですから私は何かを大きく変えなければと思っていました。やがて、父に東京で地盤改良工事を手がける会社を紹介され修業に出たんです。3年かけて技術を身に付け22歳で福島に戻りました。そして、この事業に本格的に取り組み始めたんです。
矢部 同じ建設業でもまったく異なる業務ですよね。苦労も多かったと思います。
菅野 最初のうちは営業に駆け回り、とにかく顔を売りました。1年も経つと事業が軌道に乗り始め、「もっといけるぞ」と手応えを感じるようになったんです。そして、今年2024年1月に父から代表の座を引き継ぎました。ゼロから始めた事業にもかかわらず、父は高額な重機の購入もためらわず、私のやることを疑うことなく応援してくれました。そのおかげで今があるので、本当に感謝しています。