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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

患者の思いに寄り添って 
心を癒すクリニック

 

薬物療法に頼らない治療を心がける

 
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川﨑 実は若い頃、メンタルクリニックに通院したことがあるんです。
 
鹿島 そうでしたか。お元気で活躍しておられるところをみると、乗り越えられたんですね。
 
川﨑 はい。処方された薬を飲むと眠くなってしまい仕事にならないので、担当医に相談したことがあります。すると、「眠いときは寝てください、それが治療だから」と言われて。仕事をせずに寝ているわけにはいかず、自然と服薬をやめ、通院もしなくなりました。
 
鹿島 それはいけませんね。眠くならずに心を落ち着けられるお薬もあるのですが。
 
川﨑 それ以来、「精神科の治療は薬を出して終わり」というイメージが定着してしまいました。鹿島院長の前ですみません(笑)。
 
鹿島 いいえ、麻世さんのご意見もわかります。薬物療法に偏った精神科のクリニックは、一部のマスコミにバッシングされているくらい、数が多いですからね。厚生労働省もそうした現状を問題視し、薬の多剤投与に対して診療報酬の減算規定を設けました。
 
川﨑 薬に頼っていては、完治は難しいんですね。
 
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鹿島 薬物療法は有意義ですが、きちんと説明もせず機械的に薬を処方して終了。というのはよくありません。病気によっては、定期的に飲むのではなく、症状が重いときだけ頓服薬を服用してもらう手もありますし。精神科では、薬は患者さんの心の病のハードルを下げる目的で使用することが多いんです。なくしてしまうわけではなく、病を乗り越えやすくするんです。だから、最初は薬に頼ってもらっても、徐々に減らしていくのが精神科医の役目。ちなみに、麻世さんはどのように不調を乗り越えられたんですか?
 
川﨑 成功した自分をイメージしました。失敗を気にすると、どんどん不安になるので。
 
鹿島 なるほど!「想像力は意志の力に勝る」と言われます。不調に陥ったときに意志の力だけで頑張ろうとしても難しいもの。人間は、身の上に起こってほしくないことばかりを想像する生き物ですから、成功した自分を何度も繰り返しイメージすることはとてもいいことですよ。想像力は普段から我々の現実をつくり出し、我々が無意識のうちにも休むことなく働き続けています。それは我々が意識的にも、無意識的にもいつも考えていることによって影響され、我々が感じることになる現実を常に準備しているのです。想像力の働きを理解し、それを役立てることが、治療にも有意義です。