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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

植物の力で心と体をケア
医療との連携も目指す

 

植物ケアを医療現場へ

 
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松戸 植物は様々な要素を持っています。色、質感、香り、動き、そしてキャラクター。それぞれが「自己免疫力向上→やる気スイッチON」というような様々な効果を生み出します。
 
水野 わかります。葉が青々と茂った並木道を歩くだけでも五感が刺激されますもんね。
 
松戸 ただ、医療や介護、保育の現場ではまだそれら要素の効果の活用を導入しにくい現状にあります。だからこそ私は、植物に精通し、かつ介護医療福祉の基礎知識を持ち、即現場で活躍できる人材を育成したいと考えたんです。これが植物ケアデザイナーです。
 
水野 植物のことだけでなく、医療の知識なども幅広く学ぶ必要がありそうだなあ。
 
松戸 ですから、フラワーデザインはもちろん、植物学、園芸療法、色彩学、アロマテラピーや福祉概論、心理学、解剖学、レクリエーション学その他を融合させたカリキュラムを編成しています。もちろん保育所実習や高齢者施設の実習も充実。そのうえで、様々な目的に対応したケアプランを計画・実施・評価できる植物ケアデザイナーの養成を行っています。
 
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植物パズル療法のデータ。明らかな成果が見られる
水野 事前にうかがったお話では、植物ケアアドバイザーという資格もあるそうで、前の資格とどう違うんでしょう。
 
松戸 植物ケアアドバイザーは、植物ケアデザイナーのサポートができる資格です。植物を使ったレクリエーションや、楽しみながらできるリハビリのバリエーションを学ぶので、福祉分野、一般企業、保育所幼稚園、学校関係などに幅広く応用できます。
 
水野 資格があると他の介護士さんや保母さんと差別化も図れますね。今後はどんな目標を持っていますか?
 
松戸 植物ケアと医療の融合を目指します。そのためにはエビデンスもしっかりそろえていかなければなりません。そこで私たちは植物パズル療法をデイケアなどの医療・福祉施設で実施し、データを集めてきました。
 
水野 植物パズル療法って、楽しそう(笑)。評価はいかがでしたか。
 
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松戸 これは決められた形に、決められた植物を正確に挿す、置く、まとめる等の作業を通してADL、つまり日常生活動作に関連した上肢、手指機能を維持、向上、改善することを目的とした療法です。評価についても作業療法的評価を行っていきます。これとは別に、認知機能障害、特に記憶、空間認識にリハビリ効果があり、リハビリ意欲も高まるという「フラワーアレンジメントキット」の許諾販売をしています。これは国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構と茨城県立医療大学附属病院精神科様が共同で研究開発されたキットですが、私たちはそれと別に作業療法的観点から植物パズルキットを開発し、昨2014年10月から高齢者施設で実践しています。簡易知能検査として知られる長谷川式認知症スケールいわゆるHDS‐Rや、上肢機能評価等、目に見える数字で効果測定を実施して、本人やご家族、施設のスタッフ様からも高評価を得ています。
 
水野 「リラックスできた」などの感覚的・精神的な評価だけに頼らず、しっかりと数字とデータで効果を証明できたのは素晴らしいと思います。植物ケアの可能性がますます広がりますね。
 
松戸 そう願っています。現在はまだ高齢者施設が中心ですが、今年度からは子どもたちとの関わりも加えながら、それ以外も幅広い施設で、多くの方々に体験していただけるよう、今後も努力していきます! 
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
「楽しい」という気持ちを忘れないこと。そして、そんな自分を見失わないことです。私も普段から、「やらなくてはならない」ではなく「やっていこう」という気持ちで、やりたいと思ったことを行動に移しています。
(松戸圭子)
 
 :: 事業所概要 :: 
   ■ 事業所名 フラワー学院&花工房・アトリエPOSY/日本植物ケアザイナー協会  
 ■ 所在地 〒260-0856 千葉県千葉市中央区亥鼻2-3-11
 ■ 事業内容 フラワーデザイン/植物ケアデザイナーの育成・資格認定および地位向上を図るための研修・講習事業/植物ケアデザインマイスターの育成 他
 ■ 創業 平成23年3月
 ■ ホームページ http://posy.jp
http://jpca-d.jp