プロフィール 東京都出身、埼玉県育ち。旅行代理店勤務の後、高級ドイツ車の正規ディーラーに転職し、営業部で活躍。同メーカーが世界で実施しているプロフェッショナルセールスの試験に挑戦し、国内セールス約1500人の対象のうち30人程度しかいない合格者の1人となった。16年勤務した同ディーラーを退社した後、2013年、自動車整備・販売の(株)エスガレージを設立、早くも顧客から厚い信頼を得ている。【ホームページ】
若い世代の車離れが指摘されるいっぽうで、満足のいく1台を手にする喜び、走らせる楽しさに魅せられ、情熱を注ぐ愛好家も少なくない。自動車整備・販売を手がける株式会社エスガレージの笹本裕史代表取締役は、そんな車好きの間で信頼を集めている1人。奇をてらったサービスではなく、お客様に喜んでもらえる当たり前の気遣いを日々実践し、1台限りの接点に終わらない、一生のおつき合いを実現している。
旅行業界で「楽しさを売る仕事」に目覚める
長澤 エスガレージさんは自動車の整備や販売を行っておられるんですね。私も車が大好きで、先程からガレージに停めてある高級車を見てワクワクしています(笑)。笹本社長も、好きが高じて職業になさったのですか?
笹本 車好きなのは間違いないんですが、いきなり今の業界に入ったわけではありませんでした。学生時代から旅行の添乗員に憧れ、最初は旅行代理店に就職したんです。
長澤 同じサービス業ではありますけど、ちょっと方向が違いますね。どんなところに憧れたんでしょう?
笹本 一言でいうと、「人に楽しさを売る仕事」 というところだと思います。旅行って、物ではなく体験なので、行って帰ってきた時に 「楽しかったな」 と思ってもらえるのが一番ですよね。その満足の対価を頂戴するという部分に、重い責任と共にやりがいを感じていました。国内旅行の担当者として、学校や企業のお客様を担当し、ピークの頃には毎月300枚の名刺を配り顔を売りこみ、年間350台ほどの観光バスの手配をしていました。
長澤 年に350台だと、ほとんど毎日ですね! 念願の旅行のお仕事をばりばりこなしていた笹本社長が、どんなきっかけで車業界に転身することになったんでしょうか。
笹本 旅行代理店には約5年勤めて、仕事内容も一緒に働いた仲間もとても楽しかった半面、報酬の部分では年功序列で努力が十分に報われないことに行き詰まりを感じてもいました。だから、「よし転職しよう、それなら大好きな車の仕事がいい」 ということで、輸入車のディーラーに転職したんです。