週末に海外で副業ができるよう
日本の優れた技術者を支援する
自らの副業体験から発したビジネスモデル
大門 そこで稲田社長が、不遇の技術者たちにグローバルな活躍の場を与えようとされているわけですね。
稲田 その通りです。これはある意味では、日本の企業に向けて警鐘を鳴らしているのです。ただ、この問題に日本企業が気付き、自社の技術者に対する待遇を変えていけば、必要がなくなる取り組みではありますが。
大門 これまでの日本企業の体質から考えて、すぐにはそうならないと思いますよ。まだまだ商機はあるでしょう。紹介できる技術者のジャンルは、どのようなものがありますか。
稲田 現在は、私自身が得意とする電子材料分野、すなわち半導体やリチウム電池、ディスプレイやその周辺機器の開発・製造・品質管理技術がメインです。これらの技術ノウハウを元に、現地工場での指導に当たっています。もちろん、今後は多くの日本の技術者とパイプを持ち、様々なジャンルに対応できる体制を作っていきます。
大門 と、いうことは、稲田社長ご自身も技術畑のご出身なのですね。
稲田 はい、そうです。私は某大手電機メーカーに7年間在籍して、TVのブラウン管の開発を続けてきました。その後、鉄鋼会社に転職し、電子材料の開発を担当したのですが、これが会社にとって新規分野の仕事でして、開発のみならず営業も担当させてもらいまして。お客様は皆さん技術者ですから、この時代に築いた人脈が現在の仕事につながっています。
大門 具体的には、どのような流れで起業に至ったのですか?
稲田 実を言うと、私も約5年間、副業として海外企業の技術指導に当たっていました。その経験を生かして、私と同じ立場にある技術者たちに何らかのメリットがもたらせないかと考えたわけです。